工場や倉庫の雨漏りは、工場設備や在庫品に甚大な被害をもたらす可能性があり、迅速かつ効果的な対策が必要です。

しかし突然の雨漏りが起きたとしても何をすれば良いか分からず、戸惑う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、工場で起こりがちな雨漏りの原因や、その対策方法について詳しく解説します。

雨漏りを放置するリスク

工場の雨漏りを放置すると、様々な危険やリスクが生じます。

例えば、雨水の浸入によって製造現場の製品や在庫品に被害が及び、製品の品質低下や廃棄を余儀なくされる可能性があります。

また、浸水によって工場設備が故障するケースもあり、その修理や部品交換には時間とコストがかかります。

さらに状況が悪化すれば、工場の稼働停止や納期遅延など、企業の信頼に関わるような重大なリスクが発生する恐れがあります

雨漏りに適切な対応を行わなかった場合のリスク

工場で雨漏りが起きた時、営繕担当者様ご自身で応急処置をする場合もあるかと思います。
しかし、誤った処置を行った場合や、応急処置のままで放置した場合、工場の雨漏りは解決されるどころか、悪化する可能性があります

不適切な防水材料を選定したり、施工方法が誤っていたりすると雨漏りは収まらず、その都度補修作業が必要になります
不要なコストがかかるだけでなく、補修作業にかかる時間的コストも無視できません。

また、短期的な視点で安価な対策を選んだ結果、雨漏りによって徐々に建物自体(屋根材・外壁材・鉄骨・断熱材など)の耐久性や性能が低下し、長期的な目線で見ると多額の修繕費用が発生するケースもあります。

以上より、コストを抑えながら雨漏り対策を行いたいのであれば、専門知識と経験を持った業者に相談・依頼し、適切な材料と施工方法を選択することが大切です。

雨漏りの発生箇所と、症状・原因・対策

雨漏りを早期解決するには、発生個所・症状・原因を見極め、適切な対策を講じることが重要です。

本章では、雨漏りの発生箇所やそこで発生する症状、雨漏りの原因・対策について説明します。

【発生個所①】屋根材

最も雨漏りが発生しやすい部位となります。

工場・倉庫の屋根は、金属屋根(折板屋根)・波型スレート屋根などの種類がありますが、いずれも太陽光や雨風、紫外線などによる経年劣化で、錆・破損・ひび割れ・ズレ・浮きなどが起き、雨漏りリスクが高まります。

【症状】

屋根材からの雨漏りは、天井材のシミや屋根裏の鉄骨から落ちる水滴などによって発覚することが多いです。

また、雨漏りを長期間放置すると、屋根裏や建物内部の断熱材や配線が雨漏りの影響を受け、電気系統のトラブルを引き起こすことがあります。

【原因】

屋根材は、常に太陽光の熱や紫外線、雨風などの劣化要因にさらされています。
サビの腐食により穴が開いたり、強風や台風などの自然災害によって屋根材が浮いたり飛ばされたりすると、雨水が簡単に浸入してしまいます。

また、雨樋の集水桝の詰まりによる雨水の逆流なども原因となります。

【対策】

高所作業となるため、危険がない範囲で屋根材や雨樋の集水桝の詰まりなどの異常がないかを確認します。

専門工事業者に、
・劣化箇所の部分補修
・破損部分の屋根材交換
・シーリング材の打ち直し
・雨樋の詰まり定期清掃

などをご相談ください。

さらに劣化状況が深刻な場合、
・下地補修を含む「塗装工事」
・既存の屋根材の上に新しい屋根材を張り付ける「カバー工事」
・屋根材を交換する「張替え工事」

を検討します。

【発生個所②】屋根材を固定するボルト

工場の屋根では折板屋根(金属屋根)や波型スレートが使用されますが、屋根材どうしの重ね合わせ部分はボルトで固定されていることが多いです。
このボルトは防水上の弱点になりやすい箇所であり、雨漏りの原因となる場合もあります。

【症状】

ボルトからの雨漏りは屋根材と同様に、天井材のシミや屋根裏の鉄骨からの水滴などによって発覚することが多いです。

【原因】

ボルトは金属製であり、経年劣化により錆が発生します。
この錆が進行することで、屋根材との間に隙間・ゆるみ・浮き上がりができ、雨漏りにつながります。

その他、ボルト部周辺のパッキン、シーリング材の劣化も原因となります。

【対策】

ボルト部にボルト専用のボルトキャップをかぶせることで、錆や雨漏り対策を行うこともできます。

【発生個所③】外壁・窓サッシまわり

外壁および窓サッシまわりは、継ぎ目や接合部が多く雨水の浸入口となりやすい部位です。

【症状】

外壁からの雨漏りは、内装の壁紙の変色や剥がれ、外壁塗膜の膨れとして現れます。

窓サッシやドアの周辺からの雨漏りは、室内の床や壁の水濡れにより発覚することが多いです。

外壁・窓サッシからの雨漏りは、水濡れにより建材が傷むだけではなく、カビや菌の繁殖により悪臭が発生することもあります。

【原因】

外壁材では、躯体のひび割れ、目地部の破断したシーリング材などが雨水の浸入経路となります。

また、外壁に配管が貫通している箇所や、窓サッシなどの接合部の隙間、窓サッシまわりの防水箇所などは、特に注意が必要な部分です。

【対策】

外壁材のひび割れはシーリング材や専用の補修材を用いて補修します。
目地部や窓サッシまわりのシーリング材が劣化している場合は、劣化したシーリング材を撤去し、新しいシーリング材に打ち替えます。

さらに劣化状況が深刻な場合、
・下地補修を含む「塗装工事」
・既存の外壁材の上に新しい外壁材を張り付ける「カバー工事」
・外壁材を交換する「張替え工事」

を検討します。

【発生個所④】バルコニー・屋上

バルコニーや屋上は常時雨風や紫外線にさらされるため、防水層の劣化・破損や排水口の詰まりが生じやすい箇所です。
排水不良や防水機能の低下によって、下階への漏水や建物自体の劣化につながります。

【症状】

バルコニーや屋上の雨漏りは、下階の天井にシミとして現れるほか、内部まで浸水して床が濡れることで発覚するケースがあります。
また、防水層の膨れや破断が発生している場合も雨漏りが疑われます。

【原因】

防水層の劣化や排水口の詰まり、立ち上がり部の防水不良などが原因で雨水が建物内部に浸入します。
特に排水が流れない場合には、雨水が留まり、浸水の危険性が高まります。

【対策】

防水層の定期点検や排水口のつまりの清掃を行うことで、水はけをよくすることが重要です。
雨漏りが発生している場合は、防水材やシートの再施工などの補修工事が必要です。

以上のように、雨漏りの発生箇所やその症状は多岐にわたりますが、定期的な点検や適切なメンテナンスを通じて早期発見・対策を行うことで、被害を最小限に抑えることができます

定期的なメンテナンスについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

専門業者を選ぶ際の6つのポイント

信頼できる業者を選ぶために、重要なポイントは以下の通りです。

【ポイント①】実績や評判の確認

業者の実績や評判を確認しましょう。
webサイトでの工場・倉庫での雨漏り補修、改修工事事例、インターネットの口コミを確認します。
実績が豊富な会社を選ぶことが第一です。

【ポイント②】資格の確認

雨漏り対策には専門的な知識と技術が必要です。
業者が建築士や防水技能士などの資格を保有している業者は、施工の知識・工事品質が高い可能性が高いです。

【ポイント③】現地調査の実施

信頼できる業者は、まず現地調査を実施し、詳しく状況を把握してから見積もりを出します。
電話やメールだけで済ませず、実際に現場を確認する姿勢を重視する業者を選びましょう。

【ポイント④】見積もりの明瞭性

見積もり内容が詳細で明確な業者を選びましょう。
「一式」でまとめての記載ではなく、材料費、施工費等の内訳が明示されていることが重要です。
あいまいな見積もりの場合、後から追加費用が発生することがあるため注意が必要です。

【ポイント⑤】保証とアフターサービス

施工後の保証やアフターサービスについても確認しましょう。
信頼できる業者は、施工後の問題にも迅速に対応し、一定期間の保証を提供しています。
万が一雨漏りが再発した際にも安心です。

【ポイント⑥】コミュニケーションの取りやすさ

業者とのコミュニケーションがスムーズであることも大切です。
質問や依頼に対して迅速かつ丁寧に対応してくれる業者は、信頼性が高いと言えます。

以上のポイントを押さえて専門業者選びを行いましょう。

工場の雨漏りはすぐに直せるものではありません。
現地調査や見積もりの提出が必要なだけではなく、台風や梅雨の時期などは依頼が込み合い、着工するまでに日数がかかることもあります。
そのため、雨漏り発見後は可能な限り早急に依頼をしましょう

関連のお役立ち資料はこちら

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まとめ

今回の雨漏り対策に関する内容では、雨漏りの原因や発生箇所ごとの症状や対策、そして専門業者を選ぶためのポイントについて解説しました。

雨漏りは早期発見と迅速な対応が求められます

雨漏りに対する正しい知識を持ち、専門業者の協力を得ることで、被害を最小限に抑え、安全で快適な環境を維持しましょう。

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