※本記事は、主にスーパー・ドラッグストア・ホームセンター・ディスカウントストア・飲食店等のチェーン企業に向けての解説記事となります。
店舗の外壁は、顧客が最初に目にする「第一印象」であり、集客力やブランドイメージに直結します。
しかし、店舗を管理する設備・保全担当者にとって、「費用の目安がわからない」「塗料の選び方が難しい」「業者選定に時間がかかる」といった悩みは尽きないのではないでしょうか。
この記事では、店舗の外壁塗装にかかる費用相場から塗料選び・業者選定のポイントまで、意思決定に必要な情報を網羅的に解説します。
目次
店舗の外壁塗装の費用相場

店舗の外壁塗装費用は、規模・塗料グレード・劣化状況によって大きく異なりますが、一般的な目安は外壁面積1㎡あたり2,500〜5,000円程度です。
ただし、この単価に足場代・洗浄費・下地処理費が加わるため、実際の総費用はこれより高くなります。以下の目安を参考に、自社店舗の規模に照らし合わせてください。
店舗規模別の外壁塗装費用の目安
店舗の外壁面積は、建物の延床面積や階数によって変わります。ドラッグストア・スーパーなど1,000〜2,000㎡規模の平屋型店舗を例に、ここでは3つの規模帯を示します。
| 店舗規模の目安 | 外壁面積(概算) | 外壁塗装費用(概算) |
|---|---|---|
| 小規模(延床200〜500㎡) | 170〜450㎡ | 70万〜290万円 |
| 中規模(延床500〜1,000㎡) | 300〜700㎡ | 120万〜450万円 |
| 大規模(延床1,000〜2,000㎡) | 500〜1,100㎡ | 200万〜750万円 |
※上記は平屋の店舗で、外壁のみをシリコン塗料で塗装した場合の目安です(足場・高圧洗浄・養生・下地処理を含む)。以下の条件によって、費用は上限・下限から外れることがあります。正確な費用は、現地調査のうえでお見積もりください。
【外壁面積が変わる要素】
軒の高さ・建物の形(凹凸が多い・細長いなど)・ガラス面の割合
【工事費用が変わる要素】
下地の劣化状態・外壁の素材(目地の有無)・塗料のグレード(無機・フッ素塗料はシリコン塗料の1.3〜1.8倍程度)・足場の設置条件・施工時間帯・看板・設備の多さ
工事費用の内訳と各項目の解説
外壁塗装の見積書には複数の費用項目が含まれます。主な内訳は以下のとおりです。
- 足場仮設・解体費
- 高圧洗浄費
- 下地処理費
- 塗料材料費
- 塗装施工費
- 諸経費・廃材処分費
このうち足場費用は工事総額の15〜20%を占めることが多く、外壁面積500㎡の店舗であれば20万〜40万円程度が目安です。足場は一度設置すれば屋根も同時に施工できるため、屋根と外壁を同時発注することで足場費用を実質半減できます。
下地処理費は劣化の程度によって大きく変動します。クラック(ひび割れ)が多い外壁やサビが進んだ金属壁の場合、下地処理費だけで全体の20〜30%に達することもあります。
費用が変動する主な要因
同じ面積でも費用が変わる要因が複数あります。
- 塗料の種類・グレード
- 外壁の劣化状況・素材
- 建物の形状・高さ
- 施工時期・地域
塗料グレードは費用に最も影響します。アクリル系は安価ですが耐用年数が5〜7年と短く、無機系は高額ですが20〜24年の長期耐久が期待できます。ライフサイクルコスト(LCC)で比較すると、高耐久塗料のほうが長期的には割安になるケースが多い点は見積り比較時に意識しておく価値があります。
店舗の外壁を塗り替えるメリット

外壁塗装は「修繕コスト」ではなく、集客力・建物寿命・光熱費の三方向に効く「投資」と捉えることで、社内稟議の通りやすさが変わります。
ここでは、店舗特有の視点から外壁塗り替えの主な効果を整理します。
集客力・ブランドイメージの向上
外壁の色あせ・汚れ・チョーキング(白い粉状の劣化)は、来店客に「手入れの行き届いていない店舗」という印象を与えます。特にチェーン店では、本部が定めるCI(コーポレートアイデンティティ)カラーを維持することが本社方針として求められることも少なくありません。
塗り替えによって外観を刷新すると、新規顧客の入店率向上・求人への応募増加にも影響を与えます。外観の清潔感は採用活動にも影響するため、単なる美化工事ではなく経営課題の解決策として位置づけることができます。
建物の長寿命化と資産価値の維持
塗膜が劣化すると外壁素材が直接風雨にさらされ、コンクリートの中性化・鉄骨のサビ・ALC板の吸水膨張が進みます。放置すると外壁材の交換が必要になり、塗装工事の数倍以上のコストが発生します。
適切なタイミングで塗り替えることで建物の耐用年数を延ばし、長期的な修繕費用の総額を抑えることができます。自社所有店舗の場合は資産価値の維持にも直結します。
【遮熱・断熱塗装を選ぶ場合】省エネ効果
外壁に遮熱塗料を使用すると、太陽光による外壁表面温度の上昇を抑え、室内への熱侵入量を低減できます。特に西日が当たる外壁面への遮熱塗装は、空調電力コストの削減に寄与します。
大手流通チェーンを中心にカーボンニュートラル宣言が相次ぐ中、店舗単位のCO2削減を数値で示せる遮熱塗装は、本社のサステナビリティ目標と直結する施策として評価されています。外壁塗装の段階で遮熱性能を持つ塗料を選ぶことで、屋根遮熱と合わせた省エネ効果の最大化が期待できます。
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【低汚染塗料を選ぶ場合】汚れのない美観を長期間維持
店舗外壁は排気ガス・花粉・カビなどの汚染物質が付着しやすい環境にあります。低汚染塗料は塗膜表面の親水性が高く、雨水で汚れが流れ落ちるセルフクリーニング効果を持ちます。
防カビ・低汚染対策の塗装プランでは、JIS Z 2911のかび抵抗性試験、藻抵抗性試験に合格した塗料の採用も選択肢のひとつです。塗り替え後の美観維持期間が長くなることで、次回塗装までのサイクルが延び、結果的にメンテナンスコストを圧縮できます。
塗り替えが必要な劣化サイン

外壁の劣化は段階的に進むため、早期に気づいて対処するほど工事費用と建物へのダメージを最小限に抑えられます。
保全担当者が定期巡回時に確認すべき劣化症状を、優先度の高い順にまとめました。
見逃せない6つの劣化症状
- チョーキング(白い粉)
- 色あせ・変色
- クラック(ひび割れ)
- 剥離・膨れ
- カビ・藻の発生
- サビの発生
チョーキングは塗膜の樹脂が紫外線で分解されて粉化する現象で、手で触ると白い粉が付着します。塗り替えの目安となる代表的なサインです。クラックは0.3mm以上の幅になると雨水が浸入するリスクが高まります。
カビ・藻は外壁の北面や日陰部分に発生しやすく、放置すると外壁素材の劣化を加速させます。また、金属系外壁ではサビが進行すると素地まで腐食が及び、板金交換が必要になる前に塗装で保護することが重要です。
塗り替えの目安と放置した場合のリスク
一般的な外壁塗装の推奨塗替えサイクルは、使用塗料の種類によって異なります。シリコン系で10〜13年、フッ素系で13〜18年、無機系で15〜20年が目安です。ただし、店舗の立地環境(海沿い・交通量の多い幹線道路沿いなど)によっては劣化が早まることがあります。
劣化を放置した場合、外壁材の交換・構造部材の補修が必要になり、塗装工事のみで対処した場合の2〜5倍のコストが発生するケースもあります。定期的な目視点検と、5〜7年ごとの専門業者による診断を組み合わせることで、適切なタイミングの工事計画が立てやすくなります。
店舗外壁塗装の施工の流れ

初めて大規模店舗の外壁塗装を発注する担当者でも、6つのステップを把握しておくことでスムーズに工事を進めることができます。
特に複数店舗を抱える本部担当者にとっては、各工程で自社側が準備すべき事項を事前に整理しておくことが、スケジュール遅延の防止につながります。
問い合わせから完了報告までの6ステップ
- 問い合わせ・現地調査
- 劣化診断・見積書提出
- 塗料・工法の打ち合わせ
- 工事着工・施工
- 完了検査・仕上げ確認
- 完了報告・保証書交付
現地調査では外壁面積の実測・劣化箇所の写真記録・素材の確認が行われます。この段階で複数の業者に同条件で見積もりを依頼すると比較しやすくなります。塗料・工法の打ち合わせでは、耐用年数・色・機能(遮熱・低汚染・防カビ)の優先順位を明確に伝えることが重要です。
施工中は店舗営業を継続しながら工事が進むため、足場設置日・塗料乾燥時間による臭気発生日・足場解体日を事前に把握し、店舗スタッフへ周知しておくと混乱を防げます。
担当者が事前に準備しておくべきポイント
工事をスムーズに進めるために、発注前に以下の情報を整理しておくと打ち合わせが効率化します。
- 建物の図面・前回工事の記録
- 外壁素材の種類
- CIカラーの色番号
- 工事希望時期・禁止期間
- 稟議・決裁フローの確認
特に多店舗展開のチェーン企業では、本社の稟議承認を得た後に工事日程を確定するケースが多いため、見積もり取得から着工まで2〜3ヶ月の期間を想定したスケジュール設計が現実的です。季節工事(繁忙期前の春・秋)を希望する場合は、さらに早めに動き始めることを推奨します。
外壁塗装費用を抑える2つのコツ

店舗の外壁塗装費用を適切に抑えるには、工事タイミングの工夫と塗料選択の最適化という2つのアプローチが効果的です。
いずれも初期コストだけでなく、長期的な維持費用の総額を減らすことを意識した考え方です。
コツ1:屋根と外壁を同時に施工して足場代を1回にまとめる
足場の仮設・解体費用は、外壁のみと屋根+外壁の同時施工でほとんど変わりません。別々に発注すると足場代が2回発生するため、屋根と外壁を同一工期で施工することで足場費用を実質半減できます。
例えば外壁面積600㎡・屋根面積800㎡の店舗の場合、足場費用は単独発注時に各30万円前後かかりますが、同時施工なら合計40万円程度に圧縮できます。屋根の劣化が外壁より軽微な場合でも、長期視点では同時施工が経済的です。屋根の遮熱効果を長持ちさせるプランと組み合わせて検討することで、一度の工事で光熱費削減と建物保護を両立できます。
コツ2:長寿命塗料でライフサイクルコスト(LCC)を下げる
外壁塗装のコストは「工事1回あたりの費用」ではなく、建物の使用年数全体での総費用(LCC)で評価することが重要です。10年耐久のシリコン塗料と20年耐久の無機塗料を比較した場合、20年間で後者は工事回数が1回少なくなるため、足場代・洗浄費・下地処理費が丸ごと削減されます。
例えば、アステックペイントの無機REVO1000-IRは耐用年数20〜22年の有機無機ハイブリッド樹脂塗料で、低汚染性・遮熱性・防カビ防藻性を兼ね備えています。初期費用がシリコン塗料比で1.5倍程度でも、20年間のLCCでは割安になる計算になるケースが多く見られます。店舗建屋を長期管理するする場合には、LCC視点での塗料選定は予算管理の精度向上にも直結します。
※遮熱塗装は、自治体によっては省エネ・暑さ対策の補助金の対象になる場合があります。対象は工場・倉庫や屋根工事に限られることが多いため、店舗所在地の自治体の制度を着工前にご確認ください。
店舗の外壁塗装に関するよくある質問

保全担当者から寄せられることが多い疑問を、実務的な視点からまとめました。
営業しながら工事はできますか?
はい、ほとんどのケースで営業を継続しながらの工事が可能です。一般的な店舗外壁塗装では、足場を建物外周に設置して作業するため、店舗内の業務を止める必要はありません。ただし、塗料の臭気が発生する日や、出入口付近で作業する日は事前に店舗スタッフへ通知し、駐車場の一部を養生材置き場として使用する日程調整が必要になります。
夜間・早朝施工や休日施工を選択することで来客への影響をさらに抑えられますが、別途割増費用が発生する場合があります。施工前の打ち合わせで営業時間・繁忙日を業者に共有することが、スムーズな工事進行の鍵です。
工期はどれくらいかかりますか?
標準的な店舗外壁塗装(面積500〜800㎡)の工期は、足場設置から解体・完了検査まで概ね10〜20営業日が目安です。屋根と同時施工の場合は5〜10営業日程度が加算されます。天候不良(雨天・強風)による作業中断が発生すると工期が延びるため、梅雨時期や台風シーズンを避けた工程計画が有効です。
複数店舗を一括発注する場合、施工店の人員・資機材のスケジュール調整が必要なため、着工の2〜3ヶ月前に計画を確定させることで優先的な工程確保が期待できます。
屋根も一緒に塗装した方がよいですか?
外壁と屋根の劣化状況が近い場合は、同時施工を強く推奨します。理由は足場費用の削減(前述)に加え、外壁と屋根の仕上がりを同時に統一できるため美観面でも有利なためです。また、屋根に遮熱塗料を使用すると、空調電力コストの削減効果も期待できます。
一方、屋根がまだ施工後5年未満で劣化が軽微な場合は、外壁のみを先行施工し、次回の塗り替えサイクルで屋根と合わせる計画も合理的です。専門業者による診断を受けて劣化度合いを確認したうえで判断することが最も確実です。
【多店舗展開のチェーン企業様におすすめ】アステックペイントの外壁塗装

アステックペイントは遮熱塗料シェアNo.1の塗料メーカーとして、全国の店舗・量販店を含む施工実績が豊富な認定施工店と連携し、建物ごとに最適な塗料選定と工事をご提案しています。
実際の施工は全国ネットワークの認定施工店が担当するため、複数拠点を持つチェーン企業の本部担当者でも、各地の店舗に対して均質な品質の工事を手配できる体制が整っています。
塗料メーカーならではの技術知見から、店舗の外壁素材・劣化状況・立地環境に合わせた塗料選定をご提案します。例えば、外観の美観維持を重視する店舗には無機REVO1000-IR(耐用年数20〜22年、低汚染・遮熱・防カビ防藻性)、コスト効率を優先する多店舗一括発注には超低汚染リファイン1000Si-IR(耐用年数15〜18年)といった形で、目的に応じた最適な選択肢をご提示します。
多店舗展開の企業様向けには、複数店舗の優先度整理から一括発注によるコスト最適化、稟議資料の作成サポートまで対応しています。「どの店舗から着手すべきか」の判断材料となる劣化診断から、認定施工店のご紹介・アフターフォローまで、塗料メーカーとして一貫してサポートします。

まとめ:店舗の外壁塗装は計画的な投資として進めよう
この記事で解説した内容を振り返ります。
- 費用相場は規模・塗料で変動
- 塗装は集客・省エネ・長寿命化に効果
- 劣化サインの早期発見がコスト最小化
- 屋根と同時施工で足場代を削減
- LCC視点での塗料選定が長期コスト圧縮に有効
- 補助金活用は着工前申請が条件
外壁塗装は「見た目を綺麗にする作業」ではなく、建物の資産価値・集客力・省エネ性能を維持・向上させる計画的な投資です。後回しにするほど下地処理費・素材交換費が膨らみ、結果的に支出が増えるという点は、社内稟議の際にも有効な論点になります。
アステックペイントは、全国の店舗・量販店を含む施工実績が豊富な認定施工店と連携し、建物ごとに最適な塗料選定と工事をご提案しています。どの店舗から着手すべきか判断がつかない、複数店舗の一括対応を相談したい、稟議に必要な試算が欲しいといった小さなお悩みでも、お気軽にご相談ください。