工場や倉庫の塗装工事を検討する中で、「どの色を選べばよいのか分からない」と判断に迷っている方も多いのではないでしょうか。

工場・倉庫の色選びは、住宅とは異なり、遮熱性・防汚性・安全性など部位ごとに求められる機能が異なるため、見た目だけで決めてしまうと後悔につながるケースが少なくありません。

この記事でわかること
・屋根・外壁・床、部位別に最適な色の考え方
・遮熱性能と色の関係
・汚れが目立ちにくい色・目立ちやすい色の違い
・色選びで失敗しないための3つの確認事項

この記事が役立つ方
・工場・倉庫の塗装工事・修繕計画を担当している設備管理者の方
・色を変えることで省エネ・コスト削減につなげたい方
・見た目と機能性を両立した色選びをしたい方

「明るい色と暗い色で室温はどれくらい変わるのか」「汚れが目立ちにくい色は何色か」「景観条例は関係あるのか」そうした疑問をお持ちの方のために、本記事では遮熱塗料メーカーシェア6年連続国内1位※のアステックペイントが、年間数百件の工場・倉庫採用実績と自社実証データをもとに、失敗しない色選びのポイントを詳しく解説します。

※ペイント&コーティングジャーナル 第3555号「屋根用・遮熱塗料特集」より

目次

工場・倉庫の塗装工事で「色選び」が難しい理由

工場の塗装工事で「色選び」が難しい理由

工場・倉庫の色選びが難しい理由は、美観・機能・安全性など、複数の要素を同時に考える必要があるためです。また、一般住宅とは異なり、工場・倉庫ではそれぞれの場所の色彩設計に求められる役割が明確に異なります。

このセクションでは、なぜ工場の色選びが複雑になるのか、その根本的な原因と具体的な注意点について掘り下げていきます。

なぜ工場の色選びは悩ましいのか?3つの根本原因

工場の色選びを難しく感じる主な原因は、大きく3つ挙げられます。

①美観と機能性の両立
例えば、屋根には室温上昇を抑える「遮熱性」、外壁には企業の顔としての「デザイン性」と「汚れにくさ」、床には従業員の安全を守る「視認性」など、場所ごとに異なる機能が要求されます。

②「面積効果」による色の見え方の違い

小さな色見本で選んだ色を広い面積に塗装すると、明るい色はより明るく、暗い色はより暗く見える傾向があります。この現象を理解せずに色を選ぶと、完成後のイメージが大きく異なる可能性があります。

③景観条例などの外部要因
自治体によっては、周辺環境との調和を目的とした景観法や条例で、使用できる色に制限が設けられている場合があります。 これらを事前に確認せずに計画を進めると、後から見直しが必要になることがあります。

「色=機能選定」場所ごとに求められる役割の違い

工場・倉庫の塗装において、「色を選ぶ」ことは「機能を選ぶ」こととほぼ同義です。そのため、部位ごとの役割を踏まえて色を選ぶことが大切です。

部位ごとの求められる役割

部位役割
屋根遮熱性、耐久性
外壁美観性、防汚性
安全性、作業効率性

よくある色選びの失敗事例と、その回避策

機能や特性を理解せずに色を選ぶと、思わぬ失敗につながることがあります。

例えば、屋根にデザイン性だけを重視して濃い色を選んだ結果、夏場の室温が想定以上に上昇し、空調コストが増大する可能性もあります。

外壁に白などの明るい色を選んだことで、周辺環境によっては「目立ちすぎる」「反射が眩しい」と受け取られるケースもあります。また、排気ガスや塵による汚れがすぐに目立ってしまい頻繁な清掃が必要になったケースもあります。

床においては、安全区域の表示が不明確だったために、注意喚起が十分に機能しなかったという事態も考えられます。

これらの失敗を避けるためには、塗装前にカラーシミュレーションで全体のイメージを確認したり、実際の塗料を板に塗った「塗り板」を取り寄せ、太陽光の下での見え方を確認したりすることが有効です。

屋根・外壁・床|部位別に見る工場塗装の色の選び方

屋根の色の選び方|遮熱性とコスト効率を重視

屋根は太陽光の影響を最も受けるため、「遮熱性能」が重要な判断基準になります。特に金属製の折板屋根では、太陽光の影響で夏場の表面温度が70℃以上に達することもあります。

「遮熱性能」は、太陽光を反射する能力を示す「日射反射率」という数値で判断でき、この数値が高いほど温度上昇を抑制する効果が期待できます。一般的に、白やライトグレーといった明るい色ほど日射反射率が高くなる傾向があります。

アステックペイントが自社の関東工場(茨城県古河市)で実施した実証試験(2025年7〜9月)では、遮熱塗料を施工したプレハブと未施工のプレハブを比較した結果、屋根表面温度が最大18.8℃低下し、室内温度も2℃以上の改善を確認しています。また、同試験ではエアコンの消費電力削減効果も検証されており、光熱費の削減効果が実証されています。

※アステックペイント関東工場プレハブ実証試験(2025年6月30日〜9月1日)。建物構造・工場内設備によって温度変化の程度に差が出ます。

遮熱性能の高い色・塗料を選ぶことにより、夏場の空調負荷が軽減され、光熱費の削減にもつながることが期待できます。長期的なコスト効率の観点からも明るい色の遮熱塗料が推奨されます。塗料メーカーのカタログなどで色ごとの日射反射率(JIS K 5675準拠)を確認し、より効果の高い色を選びましょう。

外壁の色の選び方|企業の顔となる美観と機能性

外壁は企業の「顔」とも言える部分であり、来訪者や地域社会に与える印象を大きく左右します。 コーポレートカラーを取り入れてブランドイメージを訴求したり、周囲の景観と調和する落ち着いた色を選んだりと、企業の姿勢を示す重要な要素となります。

美観を長く保つためには、汚れが目立ちにくい色を選ぶことも大切です。一般的に、真っ白や真っ黒は埃や雨だれなどの汚れが目立ちやすいとされています。 一方で、グレー、ベージュ、アイボリー、薄いグリーンなどの中間色は、砂埃や煤煙といった工場周辺で発生しやすい汚れと色が近く、目立ちにくいというメリットがあります。

また、色選びと同時に塗料の防汚性能を確認することも重要です。アステックペイントの「超低汚染リファインシリーズ」は、Siシリーズでは期待耐用年数約15~18年、MFシリーズでは期待耐用年数20~24年と高い耐候性を持つ「超低汚染(防汚)」塗料です。汚れが付着しにくい特殊低汚染性を持つため、白系の明るい色を選んだ場合でも、遮熱性と美観を長期にわたって両立することが可能です。

このように、工場の汚れの種類や立地環境を考慮して色や塗料を選ぶことで、メンテナンスの手間を減らし、長期的な美観の維持につながります。外壁については、美観と機能性のバランスを考えた色選びを心がけましょう。

床の色の選び方|安全性と作業効率を最優先

工場の床塗装における色選びは、従業員の安全確保と生産性向上に直結する極めて重要な要素です。色分けによって危険区域や通路を明確にする「カラーゾーニング」は、安全な職場環境を構築するための基本となります。

床の色選びでは、JIS(日本産業規格)で定められた安全色を参考にすることが推奨されます。 例えば、赤は「防火・禁止」、黄色は「警告」、緑は「安全・進行」といった意味合いで用いられ、これらの色を適切に配置することで、誰が見ても直感的にエリアの意味を理解できるようになります。

作業エリアの床色としては、目に優しく疲労を軽減する効果があるとされるグリーン系や、汚れが目立ちにくいグレー系が広く採用されています。 また、食品工場や医薬品工場のように衛生管理が特に重要な現場では、異物や汚れを発見しやすい白や青系の明るい色が選ばれることが多いです。 従業員が安全に、そして効率的に働ける環境を作るために、科学的根拠に基づいた色選びが求められます。

工場塗装で人気のおすすめ色|屋根・外壁・床の傾向を解説

工場塗装で人気のおすすめ色|屋根・外壁・床の傾向を解説

工場塗装で実際に選ばれている人気の色には、それぞれの部位の役割を反映した傾向が見られます。デザイン性だけでなく、遮熱性や防汚性、安全性といった機能面を重視した色が主流です。ここでは、屋根、外壁、床の各部位で人気のある色とその理由、そして機能性をさらに高めるための選び方のポイントを解説します。

【屋根】工場塗装で人気の色と遮熱性を高める選び方

工場の屋根では、遮熱効果の高さから白、ライトグレー、シルバー系の明るい色が圧倒的な人気を誇ります。

アステックペイントの屋根塗料の採用実績(2025年1月〜2026年3月)においては、下記のような色が選ばれています。

順位色名系統
1位 トゥルーホワイト白系
2位クールホワイト白系
3位シルバーグレイ灰系
4位クールホワイト白系
5位パールグレイ白系
6位シルキーホワイト白系
7位クレタグレー灰系・青系
8位ガルグレー灰系
9位ファウンテンブルー青系
10位ペールアクア青系
11位オフホワイト灰系・黄系
12位ミッドナイトブルー青系
13位サンドグレイ灰系
14位エバーグリーン緑系
15位ラセットブラウン茶系

遮熱性を最大限に引き出すためには、単に明るい色を選ぶだけでなく、塗料の「日射反射率」を確認することが重要です。日射反射率の基準としては、JIS規格(JIS K 5675など)が挙げられます。 メーカーの製品カタログやウェブサイトには、色ごとの日射反射率が記載されていることもあるため、塗装業者と相談しながら、自社の工場・倉庫に最適な色を選びましょう。

【外壁】工場の印象と機能性を両立する色の考え方

外壁では、汚れが目立ちにくく、かつ落ち着いた印象を与えるグレー系、ベージュ系、アイボリー系が人気の中心です。

アステックペイントの外壁塗料の採用実績(2025年1月〜2026年3月)においては、下記のような色が選ばれています。

順位色名系統
1位 パールグレイ白系
2位ブロークンホワイト白系・黄系
3位トゥルーホワイト白系
4位クールホワイト白系
5位シルキーホワイト白系・黄系
6位オフホワイト白系
7位ペリウィンクルブルー灰系・青系
8位チャコール黒系
9位ニュートラルホワイト白系・黄系
10位クールグレイ灰系
11位ニンバス灰系
12位パステルアクア青系
13位バーチグレー灰系・黄系
14位ブルーグレイ青系
15位サンダルウッド橙系

企業の個性を表現するために、これらのベースカラーに加えてコーポレートカラーをアクセントとして取り入れる方法も効果的です。機能性を確保しつつ、企業の「顔」としてふさわしいデザインを両立させる視点が大切です。

【床】安全性と作業効率を考慮した色の選び方

工場・倉庫の床塗装で最も多く採用されている色は、目に優しく安全な状態を示すとされるグリーン系です。次いで人気なのが、油汚れやタイヤ痕などが目立ちにくいグレー系です。

床の色を選ぶ際は、単色の美観だけでなく、通路を示すラインや危険区域表示(ゾーニング)との組み合わせを考慮することが不可欠です。作業内容や安全管理上の要求に応じて、最適な色の組み合わせを計画しましょう。

色選びの失敗を防ぐ!事前に確認すべき3つのこと

色選びの失敗を防ぐ!事前に確認すべき3つのこと

色見本だけで判断してしまうと、完成後に「イメージと違った」という事態に陥りがちです。こうした失敗を防ぐためには、色の見え方に影響を与える特性を理解し、事前にシミュレーションを行うことが不可欠です。ここでは、後悔しない色選びのために、絶対に押さえておくべき3つの確認事項を解説します。

1. 面積効果による見え方の違いを理解する

色選びで特に注意したいのが「面積効果」です。これは、同じ色でも面積の大きさによって見え方が変わる現象のことで、一般的に面積が大きくなるほど、明るい色はより鮮やかに、暗い色はより濃く、暗く感じられます。

面積効果によるイメージのズレを防ぐためには、希望する色よりもワントーン暗め、または少し落ち着いた色を選ぶと、完成後のイメージに近づけやすくなります。

2. カラーシミュレーションや塗り板で全体像を確認する

頭の中のイメージと実際の仕上がりとのギャップを埋めるために、客観的な確認手段を活用することが非常に重要です。

建物の写真を使って塗装後のイメージを再現する「カラーシミュレーション」や、A4サイズ程度の板に実際の塗料を塗った「塗り板」を取り寄せ、屋外の太陽光の下や、さまざまな天候・時間帯で確認することで、光の当たり方による色の見え方の違いを具体的に把握できます。

アステックペイントでは、カラーシミュレーションや無料テスト施工にも対応しています。納得感を持って色を決定するために、ぜひご活用ください。

3. 景観条例や周辺環境との調和を考慮する

工場の塗装色は、自社の都合だけで自由に決められるとは限りません。特定の地域では、景観法に基づき、自治体が景観ガイドラインで色彩の基準を定めている場合があります。

使用できる色の明るさ(明度)や鮮やかさ(彩度)に制限が設けられていることがあるため、計画の初期段階で工場所在地を管轄する自治体の担当部署(都市計画課など)に確認しておきましょう。

工場の塗装工事と色選びでよくある質問

工場の塗装工事と色選びでよくある質問

工場の塗装工事や色選びに関して、お客様から多く寄せられる質問をまとめました。

Q. 工場の屋根は明るい色のほうが暑さ対策に有利ですか?

はい、有利です。白やライトグレーなどの明るい色は、太陽光に含まれる熱エネルギー(近赤外線)を反射する割合(日射反射率)が高いため、屋根の表面温度の上昇を効果的に抑制します。アステックペイントの実証試験では、遮熱塗料施工後に屋根表面温度が最大24.6℃低下したことが確認されています。

Q. 工場の外壁は汚れが目立ちにくい色を選んだほうがよいですか?

はい、美観を長期間維持するためには汚れが目立ちにくい色を選ぶことをおすすめします。

グレー、ベージュ、アイボリーなどの中間色は、砂埃や雨だれといった汚れの色に近いため目立ちにくいとされています。さらに、低汚染性の高い塗料を組み合わせることで、長期にわたる美観維持が可能になります。

Q. 工場の床塗装は色分けにより安全性も上がりますか?

色分けによる視覚的な安全対策は非常に重要ですが、それだけでは十分ではありません。滑り止め機能(防滑性)、薬品や油への耐性(耐薬品性・耐油性)、フォークリフトの走行に耐える強度(耐摩耗性)など、さまざまな機能が求められます。色によるゾーニングと合わせて、作業内容に適した機能を持つ塗料を選ぶことで、総合的な安全性が向上します。

Q. 遮熱塗装と通常塗装はどう比較すればよいですか?

初期費用だけでなく、長期的な視点でのトータルコストで比較することが重要です。遮熱塗装は一般的な塗料に比べて初期費用が高くなる傾向がありますが、光熱費の削減効果が期待できます。建物の規模や地域の気候、現在の空調コストなどを基に、何年で初期投資を回収できるかといった観点で比較検討するとよいでしょう。

Q. 相見積もり中でも色選びの相談はできますか?

多くの専門業者では相見積もりの段階でも色選びに関する相談に対応しています。カラーシミュレーションの作成や塗り板の提供など、業者によって対応は異なりますが、具体的な提案を受けることで、より正確な比較検討が可能になります。

Q. 色別の日射反射率はどこを見れば分かりますか?

Q. 景観法について注意すべき点はありますか?

自治体によっては、景観法や独自の景観条例に基づき、建物の色彩に関するガイドラインを設けています。特に歴史的な街並みや自然公園が近いエリアでは、使用できる色の明度(明るさ)や彩度(鮮やかさ)に制限があることがあります。計画前に必ず工場所在地の自治体の担当部署(都市計画課など)に確認することが重要です。

工場塗装の色選びは専門業者への相談が成功の鍵

工場塗装の色選びは専門業者への相談が成功の鍵

工場の塗装工事における色選びは、美観、機能性、安全性、景観条例など、多岐にわたる専門知識が求められます。自社だけで全ての要素を網羅し、最適な判断を下すことは容易ではありません。だからこそ、工場や倉庫の塗装に関する豊富な実績を持つ専門業者への相談が、プロジェクトを円滑に進めるうえで有効な方法の一つです。

工場・倉庫のあらゆる塗装にワンストップで対応

屋根の遮熱塗装による省エネ対策から、外壁の美観向上、床の安全対策まで、工場が抱えるさまざまな課題にワンストップで対応できます。部位ごとに異なる業者を探す必要がなく、窓口を一本化できるため、担当者の負担を大幅に軽減することが可能です。

色選びから調査、社内説明までトータルサポート

お客様の要望をヒアリングし、機能性やデザイン性を両立する最適な色を提案します。塗装工事の必要性を社内で説明するための資料作成支援や、現場調査に基づく詳細な報告書の提出など、意思決定を円滑に進めるためのトータルサポートを提供しています。

カラーシミュレーションや無料テスト施工など検討しやすいサービスが充実

「完成後のイメージがわかない」という不安を解消するため、専門業者では、建物の写真を用いたカラーシミュレーションサービスを提供している場合があります。

複数の配色パターンを視覚的に比較検討できるため、関係者間の合意形成にも役立ちます。さらに、実際の壁の一部で塗装を試す「無料テスト施工」を利用すれば、光の当たり方や質感、塗料の性能などを事前に確認でき、納得感を持って色を決定することができます。

アステックペイントでは、Webカラーシミュレーションサービス「マイカラーシミュレーション」を提供しています。自社建物の写真をもとに複数の配色パターンを手軽にシミュレーションできますので、まずはデモサイトにてお気軽にお試しください。

※アステックペイントの認定施工店にマイカラーシミュレーションの使用を申し込むことで、自社の写真にてシミュレーションが可能となります。詳しくは、お問い合わせください。

まとめ|工場の塗装工事は機能性を踏まえた色選びが重要

工場の塗装工事における色選びは、見た目の印象を新しくするだけでなく、建物の機能性を高め、働く環境を改善するための重要な投資です。

  • 色選びは美観・機能・安全性のバランスが鍵
  • 屋根は遮熱性、外壁は防汚性、床は安全性を重視
  • 面積効果を理解し、シミュレーションで事前確認
  • 景観条例などの制約も忘れずにチェック

これらの要素を総合的に考慮することで、失敗のない塗装工事を実現できます。

アステックペイントは、遮熱塗料メーカーシェア6年連続国内1位の実績と、自社実証試験に裏付けられた専門知識をもとに、建物の診断から最適な塗料の選定、施工まで一貫してサポートしています。色選びに関する小さなお悩みから、工場全体の改修計画まで、どうぞお気軽にご相談ください。

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