工場・倉庫の暑さ対策として遮熱塗装の検討される際、
・どの程度、温度低下の効果はあるのか?
・省エネ効果がどのくらいあるのか?
という疑問は、必ずお持ちになるかと思います。
今回の記事では、遮熱塗装なし/ありのプレハブ小屋を準備し、7月~8月の真夏の時期に実施した実証実験の結果をご紹介します。
本検証結果をまとめたYouTube動画もございますので、是非ご覧ください。
目次
試験方法
弊社アステックペイントの関東工場に、同サイズのプレハブ小屋を3棟設置し、遮熱塗料と一般塗料を塗装し、遮熱効果検証試験を行いました。
また、プレハブ内にはエアコンを取り付け、冷房を27℃に設定し常時稼働させ、遮熱塗料と一般塗料の屋根表面温度や室内温度の変化、消費電力の違いによる省エネ効果を検証しました。
試験条件
実験場所 | 株式会社アステックペイント 関東工場 駐車場 |
所在地 | 茨城県古河市丘里 |
試験期間 | 6月30日~9月1日 |
施設の下地材 | 屋根:折板屋根(金属屋根) 外壁:金属複合パネル 窓:ブラインド |
広さ | 床面積13㎡(約8畳) 高さ2.3m |
各プレハブ小屋の概要

プレハブ①は、遮熱機能の無い一般塗料を塗装。
プレハブ②・③には、弊社の遮熱塗料である「超低汚染リファインシリーズ」を屋根・外壁ともに塗装しています。
プレハブ① 遮熱なし グレー | プレハブ② 【遮熱あり】 グレー | プレハブ③ 【遮熱あり】 白 | ||
---|---|---|---|---|
屋根 | 塗料 | 一般塗料 | 【遮熱塗料】 超低汚染 リファイン500Si-IR | 【遮熱塗料】 超低汚染 リファイン500Si-IR |
色 | グレー (N-60) | グレー (N-60) | トゥルー ホワイト | |
外壁 | 塗料 | 工場塗装 (一般塗料) | 【遮熱塗料】 超低汚染 リファイン1000Si‐IR | 【遮熱塗料】 超低汚染 リファイン1000Si‐IR |
色 | 29-80B 近似色 | 29-80B 近似色 | トゥルー ホワイト | |
エアコンの設定 | 冷房:27℃ 風量:自動設定 |
試験項目
①サーモグラフィーを使用した表面温度測定
遮熱効果を視覚的に比較する。
②温度とり機を使用した温度測定
「屋根」「天井」「室内」の温度を測定し、温度の差を比較する。
③エアコンの消費電力の比較
遮熱塗装がエアコンの消費電力にどれだけ影響するか比較する。
検証試験結果
検証試験① サーモグラフィーを使用した温度測定
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※8月31日 サーモグラフィーの結果
検証試験の一つ目は、サーモグラフィーを使用した温度の測定です。
屋根・外壁共に遮熱塗料を塗装した棟は、一般塗料の棟と比較して、明らかに表面温度が低いことが確認できます。
さらに、遮熱効果は、同じ遮熱塗料でも白色の方がグレーよりも遮熱効果が高いことも確認できました。
では、検証実験②で実際の温度数値を見ていきましょう。
検証試験② 「温度とり機」を使用した温度測定

温度とり機とは、温度計測が必要な際に利用できるデータ自動保存機能付きの温度計のことです。
本検証試験では、この温度取り機を屋根・天井・室内に設置し、収集した温度データを比較することで、その遮熱効果を検証しました。
●屋根温度の測定結果

※7月31日 屋根表面温度の測定結果グラフ
▼ 7月31日 時刻:11:30時点の抜粋
プレハブ① 遮熱なし グレー | プレハブ② 【遮熱あり】 グレー | プレハブ③ 【遮熱あり】 白 | |
---|---|---|---|
屋根の 表面温度 | 74.2℃ | 66.3℃ | 55.4℃ |
一般塗料との 温度差 | – | -7.9℃ | -18.8℃ |
「一般塗料を塗装した屋根面(プレハブ①)」と「遮熱塗料を塗装した屋根面(プレハブ②・③)」で表面温度を比較しました。
プレハブ②(グレー)では、最大7.9℃の温度差があり、プレハブ③(白)では、最大18.8℃もの温度差が確認できました。
●天井温度の測定結果

※7月31日 天井温度の測定結果グラフ
▼ 7月31日 時刻:11:30時点での抜粋
プレハブ① 遮熱なし グレー | プレハブ② 【遮熱あり】 グレー | プレハブ③ 【遮熱あり】 白 | |
---|---|---|---|
天井温度 | 38.8℃ | 37.1℃ | 34.4℃ |
一般塗料との 温度差 | – | -1.7℃ | -4.4℃ |
天井温度の測定は、エアコンを27℃に設定し、自動稼働した状態で行いました。
天井の温度は、エアコンを稼働させている状態でも、遮熱有りのプレハブと遮熱なしのプレハブで、温度差が出ることが確認できました。
屋根表面の遮熱効果が天井の温度にも影響していることが伺えます。
●室内温度の測定結果

※2023年7月31日 室内温度の測定結果グラフ
▼ 2023年7月31日 時刻:12:20時点での抜粋
プレハブ① 遮熱なし グレー | プレハブ② 【遮熱あり】 グレー | プレハブ③ 【遮熱あり】 白 | |
---|---|---|---|
室内温度 | 29.0℃ | 26.8℃ | 26.6℃ |
一般塗料との 温度差 | – | -2.2℃ | -2.4℃ |
室内温度の測定は、エアコンを稼働した状態で行いました。
室内の温度は、エアコンを稼働させている状態でも、遮熱有りのプレハブと遮熱なしのプレハブで2℃以上の温度差が出ることが確認できました。
遮熱塗料を塗装することで、室内に侵入する熱が少なり、室内温度の上昇を抑えられることが伺えます。
検証試験③ エアコンの消費電力の比較
【遮熱無】プレハブ① 一般塗料(グレー) | 【遮熱有】プレハブ② リファインSi(グレー) | 【遮熱有】プレハブ③ リファインSi(白) | |
---|---|---|---|
消費電力 (電気料金) | 148.9kwh 約5,956円 | 132.1kwh 約5,284円 | 115.7kwh 約4,628円 |
消費電力 削減率 | – | 11.3% 削減 | 22.3% 削減 |
約一か月間の消費電力を測定し、比較しました。
その結果、
・プレハブ②(リファインSiグレー)では、約11.3%の消費電力削減
・プレハブ③(リファインSi白)では、約22.3%の消費電力削減
が可能なことが確認できました。
建物の温度が上昇すると、その分、消費電力も多くなることが伺えます。
この結果から遮熱塗装は、建物全体の温度上昇を抑制し、エアコンの消費電力を削減する省エネ効果が期待できます。
※電気料金に基本料金は含まれておりません。
※本実験はプレハブ小屋での結果です。実際の環境下では、建物の開口部の数・大きさや断熱材の影響により、室内温度変化・消費電力は変動する場合があります。
実際の工場・倉庫での遮熱塗装の効果資料はこちら!
本記事は簡易プレハブ小屋での実験となりますが、
弊社の遮熱塗料で施工を行った企業様にご協力いただき、実際の工場・倉庫における遮熱効果をまとめた実績集もございます。
より多くの事例をみてご検討されたい場合は、ぜひご活用ください。

まとめ
今回の記事では、真夏の期間における遮熱塗料の効果について紹介しました。
遮熱塗料を塗装することで、建物内の温度を低下させ、省エネ並びに電気料金の削減が期待できます。
また屋根外壁の表面温度上昇を防ぐことができ、基材を熱劣化から守ることにも繋がります。
暑さ対策と建物の保全を同時に実現できる、遮熱塗装での改修工事をぜひご検討くださいませ。
最後に

アステックペイントでは、
・汚れを防ぎ遮熱効果を保持する遮熱塗装
をはじめ、
・防水対策もできる遮熱塗装
・省コストな遮熱塗装
など各種遮熱塗装プランをラインナップしています。
遮熱塗料メーカーシェアNo.1(※)の塗料メーカーである弊社と、工場・倉庫の施工実績豊富な優良施工店が連携し、高品質な遮熱塗装をご提供いたします。
現場調査・お見積りは無料にて承っております。
工場・倉庫の暑さ対策についてお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ!
※ペイント&コーティングジャーナル 第3555号「屋根用・遮熱塗料特集」より
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