・従業員からの暑さ、雨漏りといった不満をなくしたい
・結露や雨漏りによるカビを解消し、従業員の健康被害をなくしたい
・建物の老朽化を抑え維持管理したい
など、営繕・改修担当者はさまざまな目的のために営繕工事を計画し実行していきます。
その過程で生じる悩みとして、
「工事の価格相場が分からない」
「見積書のどの部分を注視すべきか分からない」
「どういった業者に発注したらよいか分からない」
といった声をよくいただきます。
今回は、工事業者を選定する上で最も重要な見積書において、押さえておきたい5つのチェックポイントを解説します。
目次
見積書を見るうえでの5つのチェックポイント
結論から記載すると、見積書でチェックする5つのポイントは以下の通りです。
① 安全対策について
② 工事項目について
③ 使用塗料
④ 使用塗料での施工実績
⑤ 見積有効期限
それぞれ詳しく解説していきます。
① 安全対策の記載があるか
塗装工事作業で事故を起きた場合、まずは工場・倉庫の稼働を停止し、事故対応として関係当局への報告や、怪我人の救護、現場の安全確保を行わなければなりません。
さらに、生産スケジュールの調整や再発防止案の立案・実行も行う必要があります。
最悪の場合、事故に対する損害賠償責任を問われる可能性もあります。
こういった大惨事にならないよう、見積書に以下の以下の項目の記載があるか確認しましょう。
・仮設足場の設置
・落下防止対策
足場からの墜落防止対策に関しては厚生労働省よりガイドラインが策定されています。
それぞれ、参考資料をご覧ください。
足場からの墜落防止措置が 強化されます(出典:厚生労働省)
安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!(出典:厚生労働省)
その他、施工業者によっては「リスク分析表」や「施工計画書」を提出されるケースもありますので、安全対策についての記載を確認しましょう。
② 必要な工程が漏れなく記載されているか
営繕・改修担当者は、複数社の相見積を取ることが求められますが、見積りの総額だけで判断すると十分な施工がなされず、不具合が早期発生する可能性もあります。
一般的に、工場・倉庫の屋根外壁の塗装工事を行う流れは以下の通りです。
見積書に各工程の項目が含まれているかを確認しましょう。
1.仮設足場の設置 | 作業を安全に行うための足場を設置。 |
2.養生作業 | 塗料が不要な場所に飛散しないよう、養生シートを設置。 |
3.高圧洗浄 | 屋根表面の汚れや旧塗膜を除去するために高圧洗浄を行う。 |
4.下地調整 | 浮きや錆、劣化部分を除去し、平滑に整える。 |
5.防錆 / 防水補強 | 錆止め塗料の塗布や、防水材の補強を行う。 |
6.下塗り | 塗料の密着性を高めるために下塗りを塗装。 |
7.中塗り・上塗り | 耐候性や機能性のあるトップコートを2回に分けて塗装。 |
8.完工検査と清掃 | 塗残しや不備が無いか点検し、廃棄物を撤去。 |
一般的に、工場・倉庫の屋根は折板屋根(金属屋根)もしくは波型スレートで、近年は折板屋根の塗り替えが増えてきています。
その際、下地に錆やひび割れの劣化症状がある場合、5項目の防錆/防水補強が必要になってきます。
また、錆が生じている場合、通常の下塗材では、一時的には再発を防げても、1~2年経過すると錆が再発することがよくあります。
錆が再発すると、そのまま建材の強度低下につながるため、下塗材の前に防錆材(錆を抑制する特殊な材料)を施工することが推奨されます。
自社の建材劣化状況に応じた工程が記載されているかしっかりチェックを行うことが大切です。
③ 目的に応じた使用塗料が記載されているか
塗装の目的によって、採用すべき塗料は変わります。
例えば、
・向こう20年以上は工場・倉庫を稼働する予定があるので、できるだけ長持ちさせたい
・10年以内に工場・倉庫を移動する予定があるので、10年間だけ持てばよい
・雨漏りが発生しているので、雨漏りしにくい塗料がよい
・暑さを解消したいので、長く遮熱効果が持続するものがよい
・限られた予算内で済ませる必要があるので、できるだけ安い塗料がよい
などが挙げられます。
改めて、目的に即した塗料が見積りとして提示されているかを確認しましょう。
近年では塗料の種類が豊富なので、以下のような比較表などを活用して、目的に合う塗料を選定する必要があります。
高価なイメージを持たれがちな遮熱機能のある塗料も、近年では生産量増加に伴い価格が下がっており、非遮熱塗料と差が無くなってきています。
工場・倉庫の暑さや省エネにお悩みの場合はぜひ「遮熱塗装」を選択肢に入れられることをおすすめします。
④ 使用塗料での施工実績は豊富か
目的に即した塗料が選定できた後は、施工業者がその塗料の使用に慣れているかの確認が重要です。
塗料は半製品であり、施工業者の手で施工されてはじめて塗装という製品になります。
一方で塗装工事はカタログ一冊あれば提案ができるサービスです。 そのため、事実としてどんな業者でも提案可能です。
そのため、「塗料によっては施工したことがない」という業者も存在しますので、気に入った塗装プランがある場合は、その使用塗料の施工実績を聞くことが望ましいです。
わかりやすい指標として、メーカーからの受賞歴など、一定数以上の塗料購入実績のある業者を選ぶことをオススメします。
⑤ 見積有効期限の確認
最後に、見積有効期限です。
塗装工事は起案してから半年~1年以上かかるのが一般的です。
いざ施工が決定しても、その頃には施工価格が上昇している可能性もあります。
そのため、見積有効期限を確認し、もし期限が切れている場合は再見積を依頼することをおすすめします。
最後に
今回は、工場・倉庫の屋根/外壁塗装における見積書のチェック項目をまとめました。
弊社は全国対応が可能な会社ですので、
・見積書が出そろったが業者を決めかねている
・相見積もりでもう1社見積を揃えたい
このようなお考えの担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください!
また、見積書のご提出前に、建物の現状把握および塗装工事の計画を立てるのにお役立ていただける診断報告書もご提供しておりますので、こちらもお気軽にご相談ください。
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