工場・倉庫が古くなってきた際のメンテナンス・改修の選択肢として「塗装工事」があります。
しかし、工場のような大きな建物全体を施工する塗装工事は検討すべき事項も多く、営繕担当者であれば何から情報収集すれば良いか迷うことでしょう。今回は、塗装工事をこれから検討するという営繕担当者向けに、工場塗装が必要な理由、時期、塗装(塗料)の種類、塗装工事の流れなどの基礎知識を解説します

塗装は経年劣化するため定期的なメンテナンスが必要

工場の外壁塗装や屋根塗装は、建物の美観を向上させるだけでなく、紫外線や雨から保護し劣化を抑制する役割があります。
また、塗装の種類によっては遮熱機能などの付加機能を持たせたもの、建物内の温度上昇を抑えるものなど、工場・職場環境の快適化にも一役を担っています。
しかし、塗装は経年により徐々に劣化するため、徐々に保護機能は失われていきます。適切な時期にメンテナンスすることで、建物の劣化を防ぎ資産価値を維持することができるのです
注意点として、建物の建材自体の劣化が著しく耐久性に問題がある場合、塗装ではなく建材の重ね張りや撤去・張り替え(葺き替え)といった、より大がかりな改修工事を行わなければならない場合もあります。そのため、塗装工事は劣化が比較的少ない段階で定期的に行うことが重要です。

塗装工事のタイミングは「劣化状況」や「建物の問題点」から判断

以下のような場合が塗装工事のタイミングです。

①塗装(塗膜)が劣化している

一般的に新築もしくは前回の塗装から10年を超える場合には、塗膜が劣化している可能性が高く塗替えが必要となります。(施工されている塗料の種類、立地環境にもよります。)
劣化の症状として、塗装表面を触ってみて手に粉が付く、塗装に色褪せがある、細かいヒビや剥がれが見られる、などがあります。

②塗装(塗膜)以外に傷みが目立つ

サビ、雨漏り、強風時にカタカタと音が鳴る(ボルトのゆるみ)、建材のヒビ・破損、シーリングの痩せなどの劣化症状が見られる場合は、塗膜も劣化しているとが考えられます。

③暑さ、汚れなど、工場環境に問題がある

夏場に工場内が猛暑となる、排気ガス汚れ・カビ・藻の発生がひどいといった問題を、塗装で解決できることがあります。現状の悩みを塗装で解決しつつ、同時に建物メンテナンスも行うというのも手でしょう。

工場塗装の種類(耐用年数の目安と機能)

次に、工場塗装にはどのような選択肢があるのか見ていきましょう。工場塗装は、使用する塗料の種類によって、耐用年数や機能が変わります。次のメンテナンス時期や、現状の工場の劣化症状・悩みも加味し、使用する塗料の種類を決めることが大切です

工事価格は、工場の坪数(面積)、劣化状況、使用塗料などによって大きく上下しますので、まずは塗装業者に現場調査のうえ見積してもらいましょう。

①塗料の樹脂による分類

樹脂の種類耐用年数特徴
ウレタン塗料5~7年安価だが耐久性が低く、
屋根・外壁塗装に使われることは少ない。
樋などの付帯部では採用されることがある。
シリコン塗料7~10年価格と性能のバランスが良い。
建築用塗料としては多くの種類が販売されており、
近年では12年以上の耐候性を持つものもある。
フッ素塗料15年~コストは高いが、耐久性に非常に優れる。
次回塗装工事までの期間を延ばすことができる。
無機塗料15年~フッ素塗料より更にコストは高い傾向にある。
耐久性に非常に優れ、次回塗装工事までの期間を延ばすことができる。不燃性がある。

②塗料の機能による分類

機能特徴
遮熱塗料太陽光の近赤外線を反射する性質により、建材の温度上昇を抑制する塗料。
暑さ・熱中症対策や、夏場の空調コスト削減を期待できる。
防水塗料塗膜が弾性を持ち、建材のひび割れに追随することで、建物内部への雨水の浸入を抑止する塗料。雨漏りを予防・抑制する効果が期待できる。
※屋上・バルコニーなどで使用される防水材とは異なる
防汚塗料
(低汚染塗料)
表面に汚れが付きにくい、もしくは、付着した汚れを自浄する機能を持つ塗料。
雨水により表面が洗浄される「親水性塗料」、紫外線により汚れを分解する「光触媒塗料」がある。
防カビ塗料塗料に防カビ剤を配合することで、塗装面にカビや藻が発生しづらくなる塗料。

工場塗装の流れ

一般的な流れは以下のようになります。
工事期間は、工場の広さ(施工面積)、使用塗料、天候にも左右されますが、おおよそ半月~2ヶ月程度を見ておくと良いでしょう
※予算に応じて、屋根一面でも工期を分けて施工できる場合もありますので、まずは施工業者へ要望をお伝えください。

①足場組立足場および養生シート(メッシュシート)を設置します。
②高圧洗浄表面の汚れや旧塗膜、サビを高圧洗浄機で除去します。
高圧洗浄だけで除去できない場合は、ワイヤーブラシ、サンドペーパー等を用いて落とします。
③養生塗装をしない部位をビニールシートや養生テープで保護します。
④下地処理フックボルトなどの金具の付け替え、金属部の防カビ・防サビ等の処理、ひび割れ・破損部分の補修作業等を行います。
⑤シーリング打替え外壁ボード同士の間や、外壁・屋根と窓枠とのつなぎ目等に施工されているシーリング材を撤去し、新たに施工します。
⑥下塗り塗装下地と上塗り塗装の密着性を高めるため、下塗用の塗料を塗装します。
⑦上塗り塗装多くの塗料では、ムラを防ぎ上塗性能をしっかり発揮させるため上塗塗料を2回塗りします。
それぞれ上塗1回目を「中塗り」、上塗2回目を「上塗り」と呼ぶ場合もあります。
⑧付帯塗装樋や金属部分などを塗装仕上げします。
⑨完工養生、足場の撤去を行います。

最後に

工場・倉庫は劣化が進行するほど工事は大掛かりになり改修費用もかさみます。そのため定期的に塗装メンテナンスで建物を保護することが、結果的に改修費用を抑えることに繋がります
劣化や気になる点があれば、まずは早めに専門の業者に現場調査・診断してもらうことが重要です。その上で、予算を加味しながら、塗料の種類・工事範囲・工事時期などを具体化してもらいましょう。

アステックペイントでは、工場・倉庫の無料現調・お見積り・各種塗装工事を承っております。工場・倉庫に関してお困りごとがありましたらお気軽にご相談くださいませ。

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