工場・倉庫の暑さ対策として、何から始めればよいか迷っていませんか。
夏季の工場内は、空調が整っていない場合、ピーク時に屋内温度が40℃を超えることもあります。 従業員の体調不良や熱中症リスクが高まるだけでなく、作業効率の低下や離職にもつながりかねません。
工場・倉庫の暑さ対策には複数の方法があります。 しかし、自社の環境や業務の性質に合わない方法を選ぶと、コストをかけても十分な効果が得られないことがあります。
この記事でわかること
・工場・倉庫が暑くなりやすい理由
・環境・条件別に最適な暑さ対策の選び方
・屋根施工・屋内設備それぞれの対策8選の特徴・費用・注意点
この記事が役立つ方
・工場・倉庫の暑さ対策を検討している法人の施設担当者の方
・従業員の熱中症リスクを軽減したい方
・対策の費用対効果を比較検討したい方
目次
工場・倉庫が暑くなりやすい3つの理由

暑さ対策を検討する前に、まず工場・倉庫の温度が上がりやすい原因を整理しておきましょう。 原因を正しく把握することで、自社に合った対策を選びやすくなります。
温度管理が必要な製品を扱う工場では、建物の構造と空調によって温度が一定に保たれている場合もあります。 一方、空調設備が十分でない工場では、一般的な建物と比べて温度が上がりやすい状況にあります。 その主な理由は、以下の3つです。
屋根からの熱侵入
工場・倉庫の屋根によく使われている折板屋根(金属屋根)や波形スレート屋根は、太陽光の熱を吸収しやすい性質があります。 夏場には表面温度が50~60℃まで上昇し、猛暑日には70℃以上になることもあります。
これらの屋根材は断熱性も低いため、吸収した熱が屋内へ侵入し、工場内の温度上昇を招きます。
広い空間と外気の出入り
工場・倉庫は一般に面積が広く、天井も高い構造です。 そのため、空調(冷房)を稼働しても、冷気が全体に行き渡る前に温められてしまいます。
また、出荷・搬入のための出入口が広く、常時開放または頻繁な出入りがある場合は、冷気が外に逃げ、屋外から熱い空気が流入します。 その結果、空調の効果がさらに弱まります。
設備による廃熱
ヒーター、ボイラー、乾燥炉、蒸気配管など、熱源となる設備がある工場では、設備からの廃熱によっても屋内温度が上昇します。 この場合、空調だけでは対処しきれないことが多くなります。
工場・倉庫の暑さ対策では、強力な冷房で屋内を冷やそうとするだけでなく、これら3つの原因を抑え込むように対策を講じることがポイントです。
暑さ対策の選び方|自社に合った方法を選ぶポイント

工場・倉庫の暑さ対策は、大きく「屋根への施工」と「屋内への設備導入」の2タイプに分かれます。 工場の環境・業務の性質・予算などの条件によって、最適な対策は異なります。
以下の表を参考に、自社の状況に合った対策タイプを確認してください。

屋根の表面温度が50~60℃を超えるような環境では、屋内でいくら空調対策を行っても、すぐに空気が温められてしまい、十分な効果が見込めません。 このような場合は、まず屋根への施工を優先することが重要です。
屋根への施工による暑さ対策4選
屋根への施工による暑さ対策の大きなメリットは、電気を使わずに工場・倉庫の空間全体の温度上昇を抑えられる点です。 屋内の温度低下による労働環境の改善だけでなく、空調効率の向上による光熱費削減、省エネ・CO2削減効果も期待できます。 初期投資はかかるものの、長期的に見て費用対効果の高い対策といえます。
① 遮熱塗装

屋根の温度を上昇させる主な原因は、太陽光に含まれる「近赤外線」です。 遮熱塗装は、この近赤外線を効果的に反射する「遮熱塗料」を屋根に塗ることで、温度上昇を抑える方法です。
遮熱塗料には建材を保護する性能もあるため、工場・倉庫の長寿命化にも貢献します。 屋根の劣化が進んでいる場合、建物の改修メンテナンスと暑さ対策を同時に行えるのが遮熱塗装の特長です。
耐久性は塗料のグレードにより異なり、8~20年程度が目安です。
注意点として、塗装表面に汚れが付着すると遮熱性能が低下します。 長期間にわたって効果を維持したい場合は、遮熱性と低汚染性(汚れにくい性質)を併せ持つ塗料を選ぶことが重要です。
| メリット | 屋根改修としては比較的安価で費用対効果が良い 屋根の長寿命化にも繋がる |
| デメリット | 汚れにより遮熱効果が低下する(汚れにくい塗料を選ばないと効果が持続しない) |
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② 遮熱シート

遮熱シートは、太陽光が屋根材に当たった際に発生する「輻射熱」を反射するシートを屋根に施工することで、遮熱効果を発揮します。
一般にポリエチレン等の合成繊維にアルミ箔を貼付した層構造のシートで、屋根表面に施工するタイプと屋根裏に施工するタイプがあります。 屋根の構造に応じて使い分けます。
施工には専用の金物やテープを使用しますが、遮熱塗装と比べて施工性が高く、工期が短く済むのが特長です。 耐用年数は約10年です。
海沿いに立地する工場では、シートに錆が発生する可能性があるため注意が必要です。
| メリット | 施工性が高く工期が短い 屋根の長寿命化にも繋がる |
| デメリット | 遮熱塗装と異なり、金属下地の場合は劣化を防げない |
③ 二重折板(カバー工法)

二重折板は、既存の屋根材の上に新しい折板屋根を重ねて施工する工法です。
新しい折板屋根に遮熱塗装や断熱材があらかじめ施工された屋根材を選ぶことで、遮熱効果を得られます。 また、古い屋根材と新しい屋根材の間に空気層ができるため、断熱効果も期待できます。
改修工事を兼ねるため、メンテナンスと暑さ対策を同時に行える点もメリットです。
一方で、大がかりな工事となるため施工コストは高くなります。 また、屋根の積載重量が増加するため、耐震基準をクリアできない場合があります。 導入前に構造面の確認が必要です。
| メリット | 施工性が高く工期が短い 屋根の長寿命化にも繋がる |
| デメリット | 施工にかかる初期費用はやや高い傾向にある 耐震基準がクリアできない場合が多い |
④ スプリンクラー(散水システム)

屋根にスプリンクラーを設置し、水が水蒸気になる際に熱を吸収する「気化熱」を利用して屋根の温度を下げる方法です。 打ち水と同じ原理です。
遮熱塗装・遮熱シートと比べて低コストで導入でき、屋根まで給水配管してポンプを設置するだけなので、工期も短く済みます。
ただし、散水により屋根材が劣化しやすくなるデメリットがあります。 折板屋根では錆の発生、スレート屋根では藻の発生を助長するため、屋根材のメンテナンスコストが増加する可能性があります。 長期的な維持管理も考慮すると、対策①~③を優先的に検討することをおすすめします。
| メリット | 低コストで導入できる |
| デメリット | 屋根材が劣化しやすい |
屋内設備の導入による暑さ対策3選
屋内への設備導入による暑さ対策は、大がかりな工事が不要なため、設置までの日数が少なく、コストも比較的抑えられます。 屋根施工と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
⑤ 大型扇風機/シーリングファン

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屋根からの熱侵入は少ないものの、空調の効きがいまひとつという場合は、業務用の大型扇風機(工場扇)の設置がおすすめです。
製品によって風量は異なりますが、数十m先まで送風できるパワフルさがあります。 風によって汗を蒸発させて体温を下げるだけでなく、空調の冷気を循環させることで空調効率を高める効果もあります。
価格は1万円~10万円ほどで、通常の空調やスポットクーラーと比べて導入費用・電気代ともに安く抑えられます。
デメリットとして、風量が大きいためホコリが舞いやすくなります。 衛生管理が求められる製品を取り扱う工場では、別の対策を検討する必要があります。
天井から吊るすタイプで、空間全体の空気循環に特化した「シーリングファン」も選択肢のひとつです。 工場・倉庫向けの大型機種は100万円~400万円が相場です。
空調効率をさらに高めたい場合は、出入口などに間仕切りカーテンを設置して冷気を逃がさない工夫も有効です。
| メリット | スポットクーラーより安価で導入可能 |
| デメリット | ホコリが舞うため、取扱製品によっては不向き |
⑥ スポットクーラー

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工場内の一部のエリアだけを冷やしたい場合は、スポットクーラーの導入が有効です。
スポットクーラーは、工場内を局所的にクールダウンできる冷房機器です。 壁や天井に固定しないエアコンのようなものとイメージするとわかりやすいでしょう。 広い工場内で作業スポットが限られた加工ラインなどで効果を発揮します。
風の吹き出し口の向きを自由に調整できるものや、軽量で移動しやすいものなど、さまざまな種類が販売されています。 レンタル業者も多いため、まずは試験的に活用する方法もあります。
室内機と室外機の機能が一体となっているため、屋外へ廃熱するには廃熱ダクトを屋外に引き出す必要があります。 設置場所については、導入前に十分な検討が必要です。
| メリット | スポット的に空間を冷やすことができる 機種によっては移動も容易 |
| デメリット | 廃熱があるため、設置場所の検討が必要 |
⑦ 間仕切りカーテン

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工場・倉庫内をビニールカーテンで間仕切りすることで、空調の冷気を空間内にとどめ、空調効率を高める方法です。 低コストで導入できる点が大きな魅力で、スポットクーラーとの組み合わせにも適しています。
カーテンの種類には、のれん式とスライダー式があります。 荷物を持ったまま両手がふさがった状態での出入りが多い場合はのれん式、フォークリフトが通過するなど開放状態が必要な場面があるときはスライダー式が適しています。
また、乾燥炉など大量の熱を放出する設備がある工場では、アルミ箔を貼付した遮熱カーテンが効果的です。 設備からの熱が工場全体に広がるのを防ぐことができます。
| メリット | 空調効率を高められる 低コストで導入可能 |
| デメリット | 単体では温度が下がらないため、他の暑さ対策と併用する必要がある |
複数対策の組み合わせが効果を高める
工場・倉庫の暑さ対策は、1つの方法だけで完結するケースは多くありません。 たとえば、屋根への遮熱塗装で熱侵入を抑えつつ、屋内では大型扇風機や間仕切りカーテンで空調効率を高めるといった組み合わせが、実務上は効果的です。
対策を組み合わせる際は、以下の順序で検討すると整理しやすくなります。
① 熱の主な侵入経路を特定する(屋根・開口部・設備廃熱)
② 侵入経路に対応した屋根施工を優先する
③ 屋内設備で空調効率と作業環境を補完する
予算や工期の制約がある場合は、効果の大きい対策から段階的に実施することも有効です。 業者による現場調査を活用して、自社工場の状況に合った優先順位を確認することをおすすめします。
来年の起案に向けて遮熱テスト施工が有効です
「暑さ対策の効果を実際に確かめてから導入を決めたい」 「来年度の予算申請に向けて、効果のデータが欲しい」
このようなご要望に対して、アステックペイントでは各種遮熱塗装の無料テスト施工を承っています。
工場・倉庫の屋根・外壁は面積が大きく、太陽光の熱を吸収しやすい主要な熱侵入経路です。 遮熱塗装を施工することで屋根・外壁の温度上昇を抑え、屋内温度の低下と既存空調の効率向上による消費電力軽減が期待できます。
テスト施工の結果をもとに効果を確認したうえで、本格導入の起案・稟議に活用いただけます。 ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
まとめ|工場の暑さ対策は根本原因から考える
工場・倉庫の暑さ対策について、以下のポイントを押さえておきましょう。
・工場が暑くなる主な原因は「屋根からの熱侵入」「外気の出入り」「設備廃熱」の3つ
・対策は「屋根への施工」と「屋内設備の導入」の2タイプがある
・屋根の表面温度が高い場合は、まず屋根施工を優先することが重要
・屋内設備は比較的低コストで導入しやすいが、単体では限界がある
・複数の対策を組み合わせることで、より高い効果が得られる
工場・倉庫の暑さ対策を成功させるには、自社の環境と業務の性質をよく把握したうえで、最も効果が出る対策を検討することが大切です。 屋根施工や設備導入を伴う対策では、業者による現場調査をもとに費用対効果を確認することをおすすめします。
アステックペイントでは、工場・倉庫の屋根・外壁への遮熱塗装に関して、現場調査・お見積りを無料で承っています。 工場の暑さ対策についてお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
最後に
工場・倉庫の暑さ・熱中症対策を成功させるには、
工場の環境・業務の性質をよく把握した上で、最も効果が出る対策は何なのかをしっかりと検討することが大切です。
屋根への施工による暑さ対策や、屋内への設備導入で工事が必要な対策では、業者による現場調査が必要になりますので、現場を見てもらって効果が出そうか話を聞いてみるのも良いでしょう。
アステックペイントでは、今回ご紹介させていただいたうち、屋根への施工による遮熱対策「遮熱塗装」をお取り扱いしています。
・汚れを防ぎ遮熱効果を保持する遮熱塗装
をはじめ、
・防水対策もできる遮熱塗装
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など各種遮熱塗装をラインナップしています。
現場調査・お見積りは無料にて承っております。
工場・倉庫の暑さ対策についてお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ。
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