工場・倉庫で雨漏りが発生した際、「雨がやめば問題ない」と放置してしまうケースは少なくありません。 しかし、雨漏りは放置するほど被害が拡大し、修繕コストが膨らむリスクがあります。
この記事でわかること
・雨漏りを放置した場合に起こりうる具体的な被害
・折板屋根・波形スレート屋根別の雨漏り原因
・応急処置の注意点と、根本解決につながる工法の種類
・修理業者へ依頼する際の流れと準備すべき情報
この記事が役立つ方
・工場・倉庫の雨漏りへの対応を検討している営繕・施設管理担当者の方
・修理を依頼する前に、工法や費用感の概要を把握したい方
・雨漏りの応急処置と本格修理の違いを知りたい方
雨漏りの原因から工法の選び方まで、実務に役立つ情報を解説します。
目次
工場・倉庫で雨漏りが起きたら、まず確認すること
工場・倉庫の雨漏りは、台風や豪雨をきっかけに発覚するケースが多い不具合です。 「雨がやむと止まるから大丈夫」と判断してしまいがちですが、症状が軽いうちこそ早期対応が重要です。
雨漏りを確認したら、まず以下の点を把握しておきましょう。
・雨漏りが発生している箇所(屋根・壁・天井など)
・雨漏りが起きる条件(大雨のときのみ、特定の風向きのときなど)
・建物の築年数と、前回のメンテナンス時期
これらの情報は、業者へ問い合わせる際にもスムーズなやり取りにつながります。 まずは状況を記録しておくことをおすすめします。
放置するとどうなる?雨漏りが引き起こす5つの被害
雨漏りを放置すると、建物だけでなく、業務や従業員にも深刻な影響を及ぼします。 代表的な被害を5つ解説します。
商品・在庫の水濡れ

工場・倉庫における雨漏り被害として、最も直接的なのが商品や在庫への影響です。 製造用の材料・原料が水濡れすると、販売や使用ができなくなる可能性があります。 在庫量が多い場合は、水濡れしない場所への即時移動も難しく、被害が拡大しやすい状況です。
機械・設備の故障

工場・倉庫で稼働する機械・設備の多くは、水に弱い構造です。 水濡れによるショートや故障が発生すると、修理費用が高額になるケースもあります。 また、修理が完了するまでの間は設備を使用できないため、製造ラインの停止につながります。 納期の遅れは取引先との信頼関係にも影響するため、早期対応が不可欠です。
漏電・漏電火災

雨漏りによって電気配線が濡れると、漏電による機械故障のリスクが生じます。 さらに、漏電による放電が周囲の可燃物に引火すると、火災という最悪の事態につながりかねません。 また、濡れた配線に従業員が触れることで、感電事故が起きる危険性もあります。
電気配線は屋根裏など目の届きにくい場所にあることが多く、雨漏りの発見が遅れるケースも少なくありません。 定期的な建物メンテナンスによる予防と早期発見が、特に重要なリスクといえます。
カビの発生による衛生・健康被害
雨漏りで建材が湿った状態が続くと、カビが大量発生し、衛生環境が著しく悪化します。 食品や精密部品を扱う工場では、商品へのカビ混入が異物混入問題に発展するリスクがあります。 また、カビはアレルギーの原因物質でもあるため、従業員の健康被害につながることもあります。
建物自体の腐食と修繕費用の増大

雨漏りを放置すると、建材の腐食が加速度的に進行します。 腐食が進むほど雨漏り箇所が増え、さらに劣化が広がるという悪循環に陥ります。 早期に対処しなかった結果、修繕費用が当初よりも大幅に高額になるケースも多くあります。 「少し様子を見よう」という判断が、結果的にコスト増につながることを念頭においてください。
工場・倉庫の屋根で雨漏りが起きやすい原因
工場・倉庫の屋根材として広く使われている折板屋根(金属屋根)と波形スレート屋根について、雨漏りの主な原因を解説します。
折板屋根(金属屋根)の場合
折板屋根における雨漏りの主な原因は以下の3つです。
① フックボルトのサビによる腐食・ゆるみ・抜け

折板屋根の固定に使われるフックボルトは、サビが発生しやすい部位です。 サビが進行すると腐食により隙間が生じ、そこから雨水が浸入します。
② 屋根材のサビによる穴あき
折板屋根自体は比較的サビに強い素材ですが、フックボルトからの「もらいサビ」や経年劣化により、穴が開くこともあります。
③ 屋根材のひずみ・浮き
経年による金属素材の収縮・膨張や、強風・地震などの振動によって屋根材にゆがみが生じることがあります。 ゆがみによってできた隙間が、雨水の浸入経路となります。
波形スレート屋根の場合
波形スレート屋根における雨漏りの主な原因は以下の2つです。
① フックボルトのサビによる腐食・ゆるみ・抜け

長年風雨にさらされることで、スレートを固定しているフックボルトにサビが発生します。 腐食が進むと隙間が生じ、雨水が浸入します。 また、強風や振動によってフックボルトが徐々にゆるみ・抜けが生じ、その隙間から雨漏りするケースもあります。 内部クレーンや重機を使用している工場では建物の揺れが大きくなるため、ゆるみ・抜けが発生しやすい傾向があります。
② 屋根材のひび割れ・ゆがみ
フックボルトのサビによる肥大化が進むと、波形スレートにひび割れが生じることがあります。 また、フックボルトのゆるみと強風が重なることで、ひび割れやゆがみの原因となるケースもあります。
応急処置は「一時しのぎ」と心得る
雨漏りが発生した場合、まず専門業者に原因調査・修理を依頼することが基本です。 工場・倉庫の雨漏りは、建物全体の劣化が進行しているサインである場合が多く、自己判断での修理には次のようなリスクが伴います。
・雨漏りを完全に防ぎきれず、建物全体の劣化がさらに進行する
・原因を特定できず、被害が拡大する
・屋根上での作業による転落事故につながる
応急処置は、梅雨・台風シーズンなどで業者の対応が当面先になる場合に限り、やむを得ない手段として検討するものです。
なお、波形スレート屋根は踏み抜きによる転落事故のリスクが非常に高いため、屋根に上っての応急処置は絶対に行わないでください。 折板屋根(金属屋根)での応急処置を行う場合も、安全対策を十分に講じたうえで作業してください。
▼ 参考ページ
応急処置を行う際の注意・方法は以下の記事で詳しく解説しています。
※折板屋根(金属屋根)の応急処置に絞った内容となります。
波形スレート屋根は、踏み抜きによる転落事故のリスクがあり大変危険ですので、屋根に上っての応急処置は絶対に行わないでください。
雨漏りを根本的に解消する4つの工法
専門業者による雨漏り修理では、建物の状態や予算に応じて、主に以下の4つの工法が提案されます。
防水シール・シーリング処理
フックボルト周辺やパネルのつなぎ目など、雨水が浸入しやすい部位にシーリング材を充填して防水処理を行う工法です。 部分的な補修に適しており、雨漏り箇所が限定されている場合に有効な手段です。 ただし、建物全体の劣化が進んでいる場合は、根本的な解決策として他の工法と組み合わせて提案されることもあります。
防水塗装工法

既存の屋根を洗浄し、傷んだフックボルトの交換・防水処理を行ったうえで、防水塗料で保護コーティングする工法です。 既存屋根をそのまま活用するため、産業廃棄物を最小限に抑えられます。 新しい屋根材も不要なため、他の工法と比べてコストを抑えやすい傾向があります。 また、遮熱性などの機能を持つ塗料を選ぶことで、防水メンテナンスと暑さ・熱中症対策を同時に行えるのもメリットです。
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | ・工事中も工場 ・倉庫の稼働が可能 ・他工法と比べ工期が短くコストを抑えやすい |
| デメリット | ・雨天時は施工不可 ・屋根の傷みがひどい場合は施工できないことがある |
重ね葺き工法(カバー工法)
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既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて施工する工法です。 既存屋根を撤去しないため、撤去費用・廃材処理費用が不要で、葺き替え工法よりもコストを抑えられます。 屋根が二重構造になることで、断熱・遮音性の向上も期待できます。
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | ・工事中も工場 ・倉庫の稼働が可能 ・葺き替えよりも工期が短い |
| デメリット | ・施工の初期費用はやや高い傾向がある ・耐震基準をクリアできない場合が多い |
葺き替え工法

既存の屋根を撤去し、新しい屋根材を施工する工法です。 屋根が新品同様となるため、防水効果は最も高くなります。 ただし、工事中は工場・倉庫の稼働を停止する必要があるため、採用されるケースは限られます。
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | ・野地板や防水シートの交換も可能 ・新品同様となるため高い防水効果が期待できる |
| デメリット | ・工事中は工場・倉庫の稼働停止が必要 ・アスベスト含有スレート屋根は飛散リスクがある |
修理業者への依頼の流れと準備しておく情報
工場・倉庫の雨漏り修理は、まず現場調査を行い、実際の症状を確認したうえでお見積り・ご提案という流れが基本です。
雨漏りの発生箇所・原因、既存屋根の劣化状況、修理が必要な面積などによって提案内容が変わるためです。 まずは専門業者に問い合わせのうえ、現場調査日を設定しましょう。
問い合わせの際に以下の情報を準備しておくと、スムーズに話が進みます。
・工場・倉庫の築年数
・屋根の種類(折板屋根・波形スレートなど)
・前回の塗装・メンテナンス履歴
・平面図・立面図の有無
まとめ:雨漏りは早期対応が修繕コストを抑える鍵
工場・倉庫の雨漏りは、放置するほど被害が拡大し、修繕費用も増大します。 商品・設備への被害にとどまらず、漏電火災や従業員の健康被害など、業務全体に影響を及ぼすリスクがあります。
雨漏りへの対応で最も重要なのは、定期的なメンテナンスによる予防と、発生時の早期対応です。 原因の調査から修繕まで、専門性の高い内容となりますので、必ず専門業者へご依頼ください。
アステックペイントでは防水塗装工事を承っております。ボルト・折板屋根のつなぎ目部分に防水補強材を使用しシームレス化、さらに塗膜が屋根材の劣化を防ぐ長寿命化効果もございます。
工場・倉庫の雨漏り修理・防水工事についてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
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