工場や倉庫での作業時に、暑さ対策として空調服を着ているけど、効かなかったり余計に暑く感じたりしたことはありませんか。実は、原因は空調服ではなく、作業環境による可能性があります。
実際、空調服は着れば必ず涼しくなるわけではなく、着方や環境次第で効果が大きく変わる道具です。
本記事では、空調服を着ても効果なしと感じる原因と対策について、わかりやすく説明します。環境に合わせて原因を特定できるチェックリストもあるので、参考にしてみてください。
目次
空調服の仕組み

空調服は、取り付けたファンを回転させて衣服内に風を送り込みます。その際、かいた汗を蒸発させることで発生した気化熱により、身体の表面温度を下げるのがおもな役割です。
人間の汗は、かいただけでは身体の温度を下げられません。大切なのは、汗が空気に触れて蒸発させられるかどうかです。そのため、送風ファンで断続的に空気を送り続けることで、汗を蒸発し続けられ快適な状態を保てます。
空調服を着て効果なしと感じる原因

空調服を着て涼しくなる要素は、ファンから送られる風が直接当たることではなく、汗が乾いたときに発生する気化熱です。そのため、気化熱が発生しにくい環境下では、どれだけ風量があっても涼しさを感じにくくなります。加えて、工場や倉庫の作業環境も要因のひとつです。
本章では、工場や倉庫で起こりやすい、空調服の効果を妨げる要素を挙げていきます。
空調服は、環境の影響を受けやすい道具です。とくに、工場や倉庫は高温・多湿の悪条件がそろいやすく、効果を感じにくくなります。
温度や湿度が高すぎる
たとえば、高温の現場では空間自体が熱をもっているためファンが熱風を取り込んでしまい、かえって衣服内に熱がこもります。また、湿度が高いと、かいた汗が蒸発しにくく気化熱の効果が減少するため、空調服だけでは不十分です。
インナーが合っていない
インナーの通気性が悪かったり肌との間に隙間がなかったりすると、風の循環が妨げられて涼しく感じません。また、コットンのような汗が乾きにくい素材を着用している場合も、汗の気化が遅れるため効果が落ちます。
また、肌に張り付いたりベタついたりする生地も、汗を蒸発させる効率が落ちるので、空調服用のインナーとして不向きです。
空気の通り道を確保できていない
空調服のサイズが合っていなかったり、ベルトやリュックでファン周りを塞いでいたりすると、風の抜け不良が起こり性能を発揮できません。しっかりとファンが回っているのに効果を実感できない場合は、全身に空気が巡っているか確認する必要があります。
空調服のファンの風量が落ちている
さらに、粉塵の多い場所や油が付着しやすい場所で空調服を着用する場合、ファン周りの汚れにも注意が必要です。汚れがついたままだと風量が落ちて、従来の性能を発揮できなくなります。
また、長期間使い続けた空調服は、バッテリーの劣化も効果が落ちる原因のひとつです。
空調服の効果が出ない時のチェックリスト

空調服が効果なしと感じる原因になる可能性がある要素は複数あり、環境によってさまざまです。特定する場合は、まず可能性の高い作業環境から確認するのがおすすめ。その後、着ている服の機能チェックや点検などをして、原因の特定を進めてみてください。
作業環境をチェックする
作業環境には、温度・湿度・作業場所があります。倉庫や工場などの屋内環境では風の通りが悪く、高温多湿になりやすいのが特徴です。空調服を着ていても高温の空気を取り込んだり汗が蒸発しにくかったりと、効果が発揮できません。
また、近くに熱源がある場合も室内温度が上がるため、考慮してみてください。
作業環境の把握には、WBGT(暑さ指数)の活用がおすすめです。WBGTは、気温だけでなく湿度や日差しなどを含めて熱中症リスクを見やすくした指標。環境省の熱中症予防情報サイトでは、WBGTが28℃を超えると熱中症のリスクが高まるとしており、空調服では追いつかない可能性があります。
空調服とインナーの性能をチェック
空調服を効果的に使うためには、適切なサイズ選びに加えて、インナーの素材も重要です。空調服は、サイズが小さすぎると空気を循環させる余裕がないため、かえって蒸れてしまいます。ぴったりより少し大きめのサイズなら、適切な量の空気を循環できるのでおすすめです。
あわせて、首や袖部分から空気が抜けていっているかもチェック。通りがよいとしっかりと涼しさを感じられます。
インナーには、吸汗速乾性に優れた生地がおすすめ。汗を素早く吸収して乾かすので、効率的に気化熱を発生させられます。
ファンの点検
バッテリーの劣化・吸気部の詰まりなども、空調服が効果なしと感じやすい原因のひとつです。バッテリーが劣化したりファンに異物が詰まったりすると、ファンの出力が落ちて空気の循環が悪くなり、効果を感じにくくなります。
以前は効いていたのに最近効果を感じない、と感じた場合は、一度メンテナンスを行ってみてください。
チェックリストで確認をしてみる
本章で説明した原因の一覧をチェックリスト形式にしています。ぜひ活用してみてください。
| 空調服が効かない原因 | チェック |
|---|---|
| 外気温・湿度 | |
| 作業場所(屋外/屋内・熱源) | |
| インナー素材 | |
| サイズ・首/袖の排気 | |
| バッテリー/風量 | |
| メンテナンス状況(目詰まり) |
空調服を効かせるための具体的な対策

空調服が効かないと思ったとき、買い替えより先に着方や作業内容の改善をするのをおすすめします。理由として、買い替えをしても根本的な原因を解決しなければ、同じ状況に陥る可能性があるからです。
着用方法の改善
着用方法で改善すべきなのは、サイズ選び・排気の確保・適切なインナー選びです。
まず、空調服のサイズが大きすぎたりぴったりすぎたりする場合は、少し余裕のあるサイズへ交換することで、風の通りが改善します。さらに、首元や袖口を締めすぎていないかもチェック。空気の通り道を塞いでいるようなら、少し緩めてみてください。
汗の処理を早めるため、吸汗速乾インナーを着用するのも効果的です。
作業内容に応じた風量の運用を心がける
暑い場所での作業は、つい大風量にしたまま運用をしがちです。しかし、その分バッテリーが消耗して、作業の後半には効果が落ちてしまう可能性があります。
対策としては、作業内容に合わせた風量の運用を心がけることです。たとえば、日陰や風通しのよい場所での作業なら風量を落とす、休憩・給水時はしっかりと電源をオフにするなどがあります。
また、休憩や給水は身体をクールダウンする効果もあり、次の作業時に空調服の効果を感じやすくなるので、こまめにとってみてください。
保冷剤を併用する
空気が熱すぎる環境では、保冷剤ベスト(アイスベスト)や保冷剤ポケット付き空調服の着用がおすすめ。保冷剤を通すことで流れる空気が冷たくなり、より冷却効果が高まります。
ただし、保冷剤は効果時間が短いので、使用する場合は予備をいくつか持って交換しながら運用してみてください。
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根本的な対策として屋内温度を下げる

空調服が効きにくい現場は、原因が環境によるものという場合もあります。とくに、工場や倉庫では高温多湿な場所が多く、個人の装備だけでは対処が難しい環境です。
その際は、空調温度を下げる、もしくは建物自体に遮熱塗装を行い、屋内の温度上昇を抑える選択肢も検討してみてください。
アステックペイントでは、屋根だけでなく外壁も塗装して高い遮熱性を発揮する塗料を扱っております。
工場の環境・業務の性質・予算などの条件によって、最適な対策が変わってきますので、どのような場合にどの対策が最適かを下記にまとめました。
暑さ対策を選定する際に、参考にしてください。
▼ 条件別 工場・倉庫で最適な暑さ対策

運用の改善で限界なら作業環境の改善を検討してみる
空調服やインナーの運用方法を見直してもまだ暑いと感じるなら、個人の対策から作業環境の改善を検討する段階へ移る必要があります。工場や倉庫は屋根が熱を持ちやすいのに加えて、広い空間や設備の廃熱などで高温になりやすい施設です。
さらに、出入り口が広く複数ある場所では、空調が効きにくく涼しくなりません。
そこで、屋根や外壁から入る熱を抑えるために遮熱塗装を施すと、倉庫内の温度上昇そのものを抑えられます。結果的に空調服の効き方も安定して、熱中症対策が可能です。
遮熱塗装の効果
遮熱塗装は、建物の温度を上昇させる原因となる太陽の熱(近赤外線)を反射しやすくして、屋根・外壁温度を上昇しにくくします。
アステックペイントの検証では、屋根に遮熱塗装を施した結果、屋根表面温度が16.3℃、屋内温度は2.0℃低下。表面温度だけでなく、屋内温度も低下したデータがあります。

屋根が熱い・室温が下がらない場合は遮熱塗装が効果的
遮熱塗装を検討する判断基準として、以下の3点があります。
- 屋根の表面温度が50〜60℃を超える
- 屋根の断熱性が低く、熱が屋内まで入り込む
- 現場への出入りが多く、空調が効きにくい施設
こうした状態では、屋内の温度が下がりにくく、熱をこもらせないような対策が必要です。屋根や外壁に遮熱塗装を施すと、外部の熱による温度上昇を抑えられるので、室内環境の改善につながります。運用の工夫で限界を感じたら、遮熱塗装も選択肢に入れて検討してみてください。
空調服×遮熱塗装の相乗効果と次のアクション

空調服は有効な暑さ対策ですが、現場の温度や湿度が高すぎると汗が乾きが遅れて、効きにくさを感じやすくなります。そして、空調服だけで対応しきれなくなった際に考えるのが、建物側の環境改善です。
遮熱塗装を行うことで屋根や外壁の温度上昇を抑えられれば、室内に入ってくる熱が減り室内の温度を抑えられます。さらに、温度が低下した分だけ汗の蒸発が進みやすくなり、空調服の性能を活かせるのもメリットです。
つまり、空調服と遮熱塗装の相乗効果が期待でき、職場の環境改善に大きく貢献します。
アステックペイントでは、遮熱塗装に関する現場の診断や見積りなどを無料で行っております。
「空調服の運用を見直しても改善しない…。」や「室温が下がらない…。」と感じた際、まずは遮熱塗装が必要かどうかを問い合わせてみてください。
現場の状況を踏まえて概算見積りまで取れば、費用対効果も説明しやすくなります。まずは現場チェックを行い、必要であれば遮熱相談をお受けします。
まとめ
空調服が効かないと感じる場合、室内環境に問題のある場合が多くあります。まずは、空調服の着方や運用方法などの改善を試みて、効果がなかった場合は、屋根や外壁の遮熱塗装を検討してみてください。 屋内の温度を下げることで空調服との相乗効果も狙えるので、快適な現場作業を実現できます。
アステックペイントでは、無料の見積りだけでなく、無料の施工テストも承っております。まずは、相談から気軽に申し付けください。