夏場、工場・倉庫内が猛烈な暑さになることはありませんか?
多くの工場・倉庫で採用されている「折板屋根(金属屋根)」・「波形スレート屋根」は、夏場に太陽光を受けて表面温度が70℃以上にまで上昇することもあります。
屋根自体の厚みも5mm前後と薄いため、簡単に熱が屋内に浸入し室内温度も上昇してしまうのです。
その屋根材の温度上昇を抑えることができる方法の1つが遮熱塗装です。
屋内への熱の侵入を防ぐとともに、空調も効きやすくなるため、職場環境の改善とエアコンの節電を同時に見込めます。
本記事では遮熱塗装の仕組みと、遮熱塗装を行った工場における遮熱効果について、実現場での試験結果と共にご紹介いたします。
目次
遮熱塗装とは?
遮熱塗装とは、太陽光の近赤外線領域の光を反射し、塗装表面の温度上昇を抑制する性質である「遮熱性」を有する塗料での塗装のことです。
遮熱塗料は、「JIS K 5675 屋根用高日射反射塗料」によって規格として定められています。
同じ製品であっても色によって反射率に差があり、白色に近づくほど遮熱性を発揮しやすい傾向があります。
「JIS K 5675 屋根用高日射反射率塗料」の規定内容
「JIS K 5675屋根用高日射反射率塗料」とは、建築物の屋根及び屋上の塗装に用いる自然乾燥形エナメル(着色)系の屋根用高日射反塗料について規定された日本工業規格です。

【試験方法】
試験体に光を照射し、試験体の反射率を測定する
以下の、赤い範囲の製品が、JIS K 5675の日射反射率規格に適合しています。

具体的な基準値は以下の通りです。
①明度が80以上の高明度領域の場合(白に近い色)
高明度領域は比較的色が明るいため、色本来の日射反射率が高いです。そのため、「日射反射率は80%以上」場合に遮熱塗料であると評価します。
②明度が40以上80未満の中明度領域の色の場合(中間色)
中明度領域は、色の明度と日射反射率の数値を比較し、「明度以上の日射反射率の数値を有する」場合に遮熱塗料であると評価します。
③明度が40以下の低明度領域の色の場合(濃いグレー~黒に近い色)
低明度領域は、「日射反射率が40%以上」場合に遮熱塗料であると評価します。低明度領域の色は比較的暗いため、近赤外線領域を吸収しやすく、日射反射率が低いことから高明度領域の色と比べて低い設定値となっています。
外壁用塗料には「遮熱塗料」の性能基準はない
補足として、上記規格は「屋根用塗料」のみに適用されます。
外壁用遮熱塗料については、現時点でJIS規格が無い=性能基準が設けられていないため、メーカーが自由に遮熱塗料と謳うことができるのが実情です。
※弊社アステックペイントでは、外壁用遮熱塗料でも、屋根用JIS規格と同じ評価方法を用いて合格した塗料のみを遮熱塗料と定義しています。
遮熱塗料の遮熱の仕組み
建築用遮熱塗料は、大きく2種類に分類できます。
① 遮熱顔料を使用した遮熱塗料
太陽光の近赤外線領域を効果的に反射する遮熱顔料を配合した塗料です。
太陽光は波長の長さにより、紫外線・可視光線・近赤外線に大きく分けられますが、この中で建材の温度を上昇させる(熱エネルギーとして吸収される)性質があるのが近赤外線です。
遮熱顔料を使用した遮熱塗料を塗装し、近赤外線領域の光を反射させることで建物への熱の侵入を軽減し、室内温度の上昇を抑える効果が期待できます。

紫外線 | 可視光線 | 近赤外線 | |
---|---|---|---|
波長 | 100~400nm | 400~780nm | 780~2500nm |
特徴 | 建材・塗膜の劣化要因 | 人間の目で見える | 建材が熱を持つ要因 |
目視 | 不可 | 可 | 不可 |
② 中空ビーズを使用した遮熱塗料
中空ビーズと呼ばれる、空気層を持つセラミックを塗料に混合し、塗膜に空気の層を作ることで、熱が伝わりにくくなり遮熱効果を発揮します。
またセラミック自体にも太陽光を反射し熱を吸収しにくくする効果があり、より遮熱効果を高めています。
中空ビーズは「断熱塗料」に使用されることが多い材料です。
断熱塗料は、夏に室内への熱の侵入を抑えるだけではなく、冬は室内の熱を外に逃がしにくく暖かさを保ちやすくなる、外断熱として機能します。
遮熱塗装の実際の効果
遮熱塗装で工場・倉庫の温度上昇はどれくらい抑えられるのでしょうか。
実際の遮熱塗装の効果として、アステックペイントの「超低汚染リファイン500Si-IR」を例にご紹介させていただきます。
遮熱効果① 茨城県A社 様
茨城県の会社様で折板屋根での施工事例です。

■温度測定期間:2018年6月25日~7月13日
■測定箇所:屋根表面温度、天井裏温度(天井から2m下)
■7月3~6日に塗装工事を行ない、塗装前・塗装後の温度変化を比較

→屋根表面温度は20.1℃低下、天井裏温度は8.0℃低下
遮熱効果② 島根県K社 様
島根県の会社様で同じく折板屋根でのテスト施工の事例です。

■温度測定期間:2018年8月23日(1日間)
■測定箇所:屋根表面温度、室内温度(屋根から1m下・外壁から30cm)
■折板屋根の半分に超低汚染リファインを塗装し、塗装面と未塗装面を同時に測定

→屋根表面温度は16.3℃低下、屋内温度は2.0℃低下
どちらの会社様の事例も、外気温約34℃の環境下で、屋根表面温度は50~60℃以上にまで上昇しますが、遮熱塗装で屋根温度上昇を抑えることにより、屋内温度をそれぞれ、8℃、2℃下げることに成功しています。
【関連資料】遮熱データ資料集はこちら!
上記事例は、遮熱性・遮熱保持性データ資料集にてより詳しくご紹介しています。全6例を掲載しておりますのでぜひご覧ください。

屋根用低汚染遮熱塗料「超低汚染リファイン」のご紹介
遮熱塗料は、実物件ではその遮熱効果は徐々に落ちていく傾向にあります。
経年により塗膜表面に汚れが付着すると汚れが熱を吸収してしまうためです。
そのため、長期にわたり遮熱効果を得たい場合は、「低汚染性を持つ遮熱塗料を選ぶ」ことが大切です。
アステックペイントでは遮熱塗料かつ塗膜が汚れにくい屋根用塗料「超低汚染リファイン500シリーズ」をご準備しております。
■【動画】超低汚染リファインシリーズの汚れにくさ
遮熱効果を阻害する汚れを緻密な塗膜で突き刺さりにくく、付着した汚れも超低汚染性によって洗い流すことで、遮熱保持性を発揮します。
また、特殊遮熱無機顔料を使用しているため、色持ちがよく、太陽光の近赤外線領域を効率的に反射できます。
表面が汚れにくい超低汚染性の塗膜性質により、塗膜が汚れると遮熱効果が落ちるという遮熱塗料のデメリットをカバーしています。
■シリーズ一覧

※1 超低汚染リファインJY500MS(-IR)は水性タイプの超低汚染リファイン500シリーズよりも、初期耐水性が向上し、遮熱性なしタイプも選定可能な塗料です。
※2 遮熱保持性とは、塗装初期の遮熱効果が、経年経過後も維持されている性質のこと。
無料での遮熱テスト施工を承っております
アステックペイントでは、実際の遮熱効果を御社の工場でご確認いただける遮熱テスト施工を無料にて承っております。
・気になる他社メーカー様の塗料との比較も可能!
・専用の温度計とソフトで、施工前と施工部分の温度差を詳細グラフ化!
と、充実の内容でテストいただけますので、ぜひともこの機会にご検討ください。
最後に
今回は、遮熱塗装の遮熱の仕組みと実際の効果についてご紹介させていただきました。
アステックペイントでは、今回ご紹介させていただいた「汚れを防ぎ遮熱効果を保持する遮熱塗装」をはじめ、各種遮熱塗装を承っております。
工場・倉庫の暑さ対策についてお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ。
お問い合わせはこちら
フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。