夏場、工場・倉庫で作業する従業員の方にとって、切っても切り離せないのが屋内の猛烈な暑さ。
空調などの暑さ対策が十分でない工場・倉庫は、40℃以上まで屋内温度が上昇することもあります。
熱中症にもなれば命にも関わりますので、日頃、工場・倉庫内が暑すぎる!と感じているのであれば、少しでも早く暑さ対策を講じるべきです。
この記事では、
「毎日、工場が暑すぎる。少しでも早く暑さ対策をして、涼しく快適にしたい」
「個人でできる暑さ対策について詳しく知りたい」
「個人レベルでできる暑さ対策をしても暑い場合に、できることはあるか?」
などのお悩みを抱えている方に向けて、
・個人でできる効果的な暑さ対策
・設備導入による効果的な暑さ対策(比較的スピーディに導入できるもの)
・工場・倉庫の条件別で、最も効果的な暑さ対策を行う方法
を、ご紹介していきます。
目次
工場・倉庫が暑くなる理由
まず、前提として、工場・倉庫が暑くなる最も大きな原因は屋根にあることがほとんどです。
工場・倉庫の屋根(折板屋根・波形スレート屋根)は太陽光によって温度が上昇しやすく、また多くの場合断熱材なども施工されていないため、その熱がどんどん屋内に侵入してしまうのです。
そのため、屋根の温度が50~60℃以上になる場合は、屋根に遮熱工事などを行うことが大変効果的です。
すでに屋根の遮熱工事を行っている場合では、空調などの設備を導入した場合に、効果の底上げも期待できます。
個人単位でできる暑さ対策ももちろん大切ですが、暑さを根本的に軽減するためには、屋根の遮熱工事や、適切な設備導入による対策が肝要であることは念頭に置いておきましょう。
■関連資料
<屋根塗装で暑さ・節電対策をお考えなら>
■遮熱性・遮熱保持性データ資料(全12P)
屋根の遮熱塗装の暑さ対策効果を、実際の事例をもとにご紹介
個人でできる3つの暑さ対策
まずは、個人レベルでできる暑さ対策をご紹介します。
近年、全国的に気温上昇にともない、現場での暑さ・熱中症対策に特化したグッズが登場しています。
中でも衣類は肌に触れる面積が大きい分、効果も大きくなるため、最初に導入することをおすすめします。
前提として、衣類などのグッズによる暑さ対策を行っていても、作業中は適度な休憩をとり、経口補水液や塩飴などでの、十分な水分補給・電解質補給は欠かさないようにしましょう。
暑さ対策① ファン付き作業着
ファン付き作業服は、バッテリーで可動する小型ファンを取り付けた作業着です。
ファンを稼働させると、外気を服の中に取り入れ送風することで汗を蒸発させ、その気化熱で体表を冷やします。
人間の体は汗をかいても、その汗が空気に触れて蒸発しなければ体を冷やすことはできません。
送風ファンにより、常に風を送り続けることで、汗を瞬時に蒸発させ快適さを保つことができるという仕組みです。
販売価格は5,000円~25,000円程度と、作業着としては高めですが、1か月の電気代は50円程度で、コスパが良いのも魅力です。
バッテリーの可動時間・充電時間は製品によりますが、可動時間はおよそ4時間~半日以上、3~8時間程度でフル充電できるものが多いです。
注意点としては、
・小型ファンが付いているという性質上、水に塗れるような作業場では故障の原因となる
・外気から空気を取り込む性質上、ホコリや粉塵の多い作業場では、作業着の中を汚してしまう可能性がある
・外気温が高いと温風を取り入れるため、直接的な涼しさは得にくくなる
という3点が挙げられます。
最近はファン付きズボンやファン付きヘルメットなどの製品も登場しています。
メリット | ・設備導入と比較して高いコストパフォーマンス |
デメリット | ・バッテリーを可動するため、現場によっては使用できないケースもある |
暑さ対策② アイスベスト
画像出典:amazon
アイスベストは、保冷剤を入れられるポケットの付いたベストです。
保冷剤を入れる位置は両脇や背中などで、静脈血を効果的に冷やすことができるため、体表・体内両方から効果的に体を冷やすことができます。
汗を蒸発させることで冷感を得るファン付き作業着と異なり、アイスベストはそれ自体が冷たいため、外気温が体温と同じくらいの猛暑下でも十分に体を冷やしてくれます。
デメリットとしては、保冷剤を収納するため厚みがある点、
そして、持続時間が短く、1日作業となるとスペアが必ず必要な点です。
製品や外気温にもよりますが、保冷剤は、2時間~5時間程度の持続時間であるため、作業時間によってスペアを準備する必要があります。
メリット | ・太い静脈が通る脇の下を冷やせるため、血流により全身の冷却効果が見込める ・バッテリーを使用しない |
デメリット | ・製品や外気温によっては持続時間が短くなる(2~5時間程度) ・保冷材の厚みに違和感を感じる場合がある |
暑さ対策③ クールインナー(夏用コンプレッションインナー)
画像出典:amazon
肌着として着用できる、接触冷感や吸汗速乾機能を持つインナーです。
汗を気化することで体温や湿度を調節する機能があり、汗のべたつきや蒸れによる不快感が軽減できる点が魅力です。
肌に圧をかけることで、体の動きをサポートするため運動機能向上や関節の負担軽減、むくみの防止などにも効果があります。
製品の特性上、体にフィットしたサイズで無ければ効果を得ることができません。
窮屈で圧がかかりすぎたり、ぶかぶかで吸汗できなかったりすると効果が薄れるため、サイズをしっかり確認しましょう。
メリット | ・暑さ対策以外にも、体の動きをサポートする様々な効果 ・1,000~2,000円台程度から購入可能 |
デメリット | ・肌に密着するため、肌質によってはかゆみなどの炎症を起こす場合がある。 ・化学繊維のため、静電気が起きやすい。 |
おすすめは、クールインナーの上にアイスベストを着け、そしてファン付き作業着を重ね着することです!
揃える費用はかかりますが、作業効率UP・熱中症リスク軽減と天秤にかける費用対効果は高いと言えるでしょう。
屋内設備による3つの暑さ対策
個人レベルでの暑さ対策には限界があります。
設備の面でも対策を行わなければ、作業環境自体の改善は出来ませんので、
【暑さによる体調不良で従業員が休んでしまう】、【工場が暑すぎるため辞めたいという声がある】といった事態を無くすためにも、会社レベルで設備の導入を行うことは重要です。
ここでは、比較的安価・短期間で導入可能な、屋内設備による暑さ対策をご紹介します。
暑さ対策④ スポットクーラー
画像出典:amazon
工場・倉庫内を局所的にクールダウンできる冷房機器です。
壁や天井に固定しないエアコンのようなものと考えると分かりやすいでしょう。
広い工場内で作業スポットが限られている加工ラインなどで効果を発揮します。
風の吹き出し口の方向を自由に調整できるもの、軽量で移動に特化したものなど様々な種類が販売されており、レンタル業者も多いため活用すると良いでしょう。
その性質上、室内機機能と室外機機能が一体となっているため、室外機だけを屋外に置くことができません。
そのため、屋外に廃熱したい場合は廃熱ダクトを外にわたす必要があり、設置場所は導入前に検討しておく必要があります。
メリット | ・スポット的に空間を冷やすことができる ・機種によっては移動も容易 |
デメリット | ・廃熱があるため、設置場所の検討が必要 |
暑さ対策⑤ 大型扇風機/シーリングファン
画像出典:amazon
業務用の大風量の大型扇風機(工場扇)を設置する方法です。
風量は製品により異なりますが、数十m先まで送風できるパワフルさがあり、風により汗を蒸発させて体温を下げるだけでなく、空調の冷気を循環させることで空調効率を高めることができます。
通常の空調やスポットクーラーより導入費用や電気代が安く済むため、コスト面は大きな魅力でしょう。
デメリットとしては風量が大きいため、ホコリが舞いやすいことが挙げられます。衛生的に厳しい製品を取り扱う場合は他の対策を講じる必要があります。
シーリングファンは、天井に設置するタイプの扇風機です。
床置き型の大型扇風機のように設置場所に悩む必要が無いのがメリットですが、設置工事が必要です。
メリット | ・スポットクーラーより安価で導入可能 |
デメリット | ・ホコリが舞うため、取扱製品によっては不向き |
暑さ対策⑥ 間仕切りカーテン
画像出典:amazon
工場・倉庫内をビニールカーテンで間仕切りすることにより、空間内に空調の冷気をとどめ、空調効率を高めます。
低コストで導入が可能なのが魅力で、先述のスポットクーラーとも相性が良い方法です。
のれん式、スライダー式等の種類があります。
工場・倉庫の作業の性質により、種類を選びましょう。
・のれん式:荷物を持ったままなど両手がふさがった状態で出入りすることが多い場合
・スライダー式:フォークリフトが通過するなど、開けっ放しにする必要もある場合
また、乾燥炉など、工場内に大量の熱を放出する設備がある場合に効果的なのがアルミ箔を貼付した遮熱カーテンです。
こちらは、設備からの熱が工場全体に蔓延するのを防ぐことができます。
メリット | ・空調効率を高められる ・低コストで導入可能 |
デメリット | ・単体では温度が下がらないため、他の暑さ対策と併用する必要がある |
衣類・設備導入だけでは、十分な暑さ対策ができない場合もある
工場・倉庫における暑さ・熱中症対策は、個人による対策や、設備導入による対策だけでは不十分な場合もあります。
先述のように、工場・倉庫は屋根からの熱の侵入量が非常に大きいため、建物内部全体の温度上昇を押さえるのであれば「屋根への施工による暑さ対策」の検討もおすすめです。
工場・倉庫の環境・業務の性質・予算などの条件によって、最適な対策が変わってきますので、どのような場合にどの対策が最適かは下記をご参照ください。
屋根への施工による暑さ対策については、下記記事の中で詳しくご紹介しています。
>工場・倉庫の暑さ対策・熱中症対策8選!失敗しない選び方も解説
最後に
アステックペイントでは、屋根からの熱の侵入を抑えるのに効果的な各種遮熱塗装をお取り扱いしております。
通常の遮熱塗装の他、雨漏りを同時に解決する塗装、遮熱性が長期に持続する塗装等もご準備しておりますので、下記フォームよりぜひともお問い合わせください。
遮熱塗装に関する無料ダウンロード資料もぜひご覧ください!
遮熱性・遮熱保持性データ資料(全12P)
屋根用防汚遮熱塗料「超低汚染リファイン」の遮熱効果を実際の事例をもとにご紹介
お問い合わせはこちら
フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。