近年、様々な業界で「カーボンニュートラル」という言葉を耳にすることが増えてきました。
地球温暖化や異常気象が国際的な問題となっている今、カーボンニュートラルはこれらの環境問題の解決手段として、注目を浴びています。
しかし、カーボンニュートラルという言葉は知っているものの、実際にどのような取り組みを行うべきなのか、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、工場(製造業)の営繕・改修担当者様に向けて、「カーボンニュートラル」の意味や、取り組みのポイントについて解説します。
目次
カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、人の活動によって排出される温室効果ガス※の量と、人の活動によって吸収される温室効果ガスの量が同じになることを表す言葉です。
※温室効果ガス:二酸化炭素(CO2)やメタン(CH4)などの地表から放出される熱を吸収し、再放出する性質のあるガスのことで、温室効果をもたらす原因とされている。中でも二酸化炭素は温室効果ガスの大半を占める。

カーボンニュートラルは2017年に採択されたパリ協定にて、世界共通の目標として、以下のように取り決められました。
①世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
②できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる=実質ゼロとする
現在では、120以上の国と地域で、2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが行われています。
パリ協定 第4条より抜粋
引用元:環境省 パリ協定 訳文
In order to achieve the long-term temperature goal set out in Article 2, Parties aim to reach global peaking of greenhouse gas emissions as soon as possible, recognizing that peaking will take longer for developing country Parties,and to undertake rapid reductions thereafter in accordance with best available science, so as to achieve a balance between anthropogenic emissions by sources and removals by sinks of greenhouse gases in the second half of this century, on the
basis of equity, and in the context of sustainable development and efforts to eradicate poverty.
(和文)
締結国は、第二条に定める長期的な気温に関する目標を達成するため、衡平に基づき並びに持続可能な開発及び貧困を撲滅するための努力の文脈において、今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成するために、開発途上締約国の温室効果ガスの排出量がピークに達するまでには一層長い期間を要することを認識しつつ、世界全体の温室効果ガスの排出量ができる限り速やかに達すること及びその後は利用可能な裁量の科学に基づいて迅速な削減に取り組むことを目的とする。
カーボンニュートラルの実現には2つのアプローチがあります。
ひとつめは、排出される温室効果ガスを削減することです。
これは「脱炭素」とも呼ばれ、発電所や工場で使用する化石燃料の消費量を減らすことなどによって達成できます。
ふたつめは、温室効果ガスの吸収量を増加させることです。
これは、植林などによって緑を増やしたり、二酸化炭素の吸収技術を発展させたりすることで達成できます。
なぜ今、カーボンニュートラルが求められるのか
カーボンニュートラルによって解決すること

近年、世界中で深刻な大雨や干ばつ、洪水などの事象が見られるようになりました。
2022年、オーストラリアでは最高気温が50℃を超え、山火事などの被害も発生しています。
日本でも、2024年に東北地方で豪雨による大規模な洪水が発生し、甚大な被害をもたらしました。
これらの原因の多くは、地球温暖化によるものだといわれており、カーボンニュートラルの取り組みは地球温暖化の解決に繋がります。
企業がカーボンニュートラルに取り組むメリットは?
企業がカーボンニュートラルに取り組むメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
①信頼の獲得やイメージの向上

環境に優しい商品・サービスの提供、温室効果ガス削減などの取り組みを進めることで、消費者や取引先会社からの企業イメージを向上させることができます。
さらに、カーボンニュートラルに取り組む企業は株主や投資家、金融機関の信用を得やすく、企業価値の向上や融資を受けやすくなるなどのメリットがあります。
②ランニングコストの削減

カーボンニュートラルの取り組みによって、近年高騰し続けている電気代や燃料費などのランニングコストを削減することが期待できます。
エネルギー効率を向上させるための取り組みや、再生可能エネルギーの導入などによって、長期的なエネルギー削減とそれに伴うコスト削減に繋がります。
また、自社で工場をもっている企業では、生産する製品の原価のうち、電気代や燃料費の割合が減ることで、電気代や燃料費の変動の影響を減らすことができます。
工場(製造業)におけるカーボンニュートラルの取り組み
工場(製造業)は、エネルギー消費が大きいことから、カーボンニュートラルへの取り組みは喫緊の課題となります。
どのようなアプローチをとるべきか、また、取り組み例についていくつかご紹介します。

エネルギー効率の改善
エネルギー効率を改善し、工場内で使用されるエネルギーの消費量を減らす取り組みです。
例えば、最新の省エネルギー技術を導入したり、設備のアップグレードを行ったりします。
具体的には、
・高効率な設備やLED照明への交換
・自動制御システムの導入などが含まれます。
・エネルギー消費のモニタリングを行い、無駄なエネルギー使用を特定して削減する
といった取り組みは有効でしょう。
これにより、全体のエネルギー消費量が減り、炭素排出量の削減に繋がります。
再生可能エネルギーの利用
工場のエネルギー供給を再生可能エネルギーにシフトすることも、カーボンニュートラルを達成するための効果的な方法です。
太陽光発電、風力発電、水力発電などの再生可能エネルギーを活用することで、化石燃料の燃焼による二酸化炭素排出を大幅に削減できます。
例えば、
・工場の敷地内に太陽光パネルを設置する
・地域の再生可能エネルギー供給を契約する
といった取り組みが一般的です。
廃棄物のリサイクルと減少
生産プロセスで生じる廃棄物を最小限に抑え、リサイクルや再利用を徹底することも重要な取り組みとなります。
例として、
・製造工程で発生する金属屑、プラスチック、紙などの材料を分別収集し、再利用可能な形態に加工して再度使用する
・廃棄物を削減するための製品設計改善を行う
といった活動が挙げられます。
これにより、廃棄物の埋め立てや焼却処分が減少し、環境への負荷が軽減できます。
カーボン・オフセット
工場での生産活動によって排出される二酸化炭素を相殺することを、カーボン・オフセットと言います。
カーボン・オフセットには、植林活動や再生可能エネルギープロジェクトへの投資が含まれます。
例えば、
・工場近くで植林を行い、大気中の二酸化炭素を吸収する森林を育成
・どうしても排出されてしまう温室効果ガスについては、温室効果ガスの削減プロジェクトに投資することにより埋め合わせる
といった活動が挙げられ、全体的な環境影響を軽減することが可能になります。
カーボンニュートラルには遮熱塗装がおすすめ

前章でご紹介した「エネルギー効率改善」においておすすめなのが、工場屋根の「遮熱塗装※1」です。
遮熱塗装は、夏場の室内温度上昇を抑制し、空調効率を向上させることで消費電力の削減が期待できます。
また、弊社アステックペイントの遮熱塗料は、6年連続でメーカーシェア1位※2を獲得しており、確かな製品品質をもってカーボンニュートラルに貢献します。
※1 遮熱塗装…熱の原因となる「近赤外線」を効率的に反射することで、夏場の室内の温度上昇を抑制する塗料を塗装すること。夏場の空調効率を向上することができ、電気代の削減に貢献。
※2 ※ペイント&コーティングジャーナル 第3555号「屋根用・遮熱塗料特集」より
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遮熱塗料の実際の遮熱効果を検証
遮熱塗料にどれほどの遮熱効果があるか確かめるため、アステックペイントでは実物件での試験施工やプレハブを用いた検証試験などを実施しています。
詳細は以下の記事をご覧ください。
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まとめ
今回は「カーボンニュートラル」について解説しました。パリ協定では世界の平均気温の上昇幅を、できる限り1.5℃までに抑えるという目標が掲げられています。
しかし、今のペースで地球温暖化が進行してしまうと、2030年代初頭には世界の平均気温の上昇幅が1.5℃を超えてしまうと予想されています。
企業の社会的責任として、電力エネルギー消費の大きい製造の現場から、カーボンニュートラルを実現にむけて取り組んでいきましょう。
最後に

アステックペイントでは、
・汚れを防ぎ遮熱効果を保持する遮熱塗装
をはじめ、
・防水対策もできる遮熱塗装
・省コストな遮熱塗装
など各種遮熱塗装プランをラインナップしています。
遮熱塗料メーカーシェアNo.1※の塗料メーカーである弊社と、工場・倉庫の施工実績豊富な優良施工店が連携し、高品質な遮熱塗装をご提供いたします。
現場調査・お見積りは無料にて承っております。
工場・倉庫の暑さ対策についてお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ!
※ペイント&コーティングジャーナル 第3555号「屋根用・遮熱塗料特集」より
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